国際決済銀行、統一型のCBDCで世界の金融システムは恩恵を受けると指摘

cbdc_142121573_s.jpg

 BIS(国際決済銀行)のレポートによると、CBDC(中央銀行デジタル通貨)や他のトークン化資産を組み合わせた統一型の電子台帳は、世界の金融システムを改善する可能性がある。

 この台帳案は、イーサリアム(ETH)などのブロックチェーン上で自動化されたスマートコントラクトを利用し、スムーズな取引を促進するものだ。

 現在の金融システムは、SWIFTのようなサードパーティの通信システムに依存しており、それが遅延や活動確認の不完全さに繋がっている。

 BISが構想する統一型の台帳は、これらの非効率性を無くし、中央銀行の通貨、商業用通貨、そして様々な資産を全てトークン化し相互作用させる単一のプラットフォームを提供する。

 BISはツイッターに投稿した動画の中で、スマートコントラクトとトークン化を組み合わせるというコンセプトを説明した。

●トークン化は証券決済を合理化し得る

 BISの調査責任者であるヒュン・ソン・シン氏は、プレスリリースの中で、統一型の台帳は証券決済処理を合理化し、規制チェックが組み込まれたトークン化された預金を実現することで、新たな可能性を切り開くと強調した。

 これにより、特に小規模な企業が取引の金融コストを削減できる、とシン氏は説明した。

 同氏は、BISが共有した別の動画で同じコンセプトについて詳しく説明し、次のように述べた。

 「現在、金銭やその他の債権は別々のデータベース上に存在し、サードパーティの通信システムを通じて繋がっている。そのため、最終的に決済される前に取引を個別に照合する必要がある」

 同氏は、「トークン化によって、これら全てが1つのシームレスな作業になる」と付け加えた。

 注目すべきことに、国際決済への統一型台帳の導入には、国・地域間での相当な政策的調和が必要となる。

 BISのレポートでは、このプロジェクトを進めるための中央銀行と民間部門との協力の必要性も強調され、対顧客業務の大半は民間部門が処理するとされた。

 BISは今後、このイニシアチブを進めるために、公共政策の委任の下で中央銀行と民間部門が一体となることを期待している。

 シン氏は官民の協力の重要性を強調し、これについては議論が進展中だと示唆した。

●通貨のプログラマビリティに関するレポートに続く

 統一型CBDCシステムに関するこの新たなレポートの直前には、BISがBoE(イングランド銀行)と協力し、CBDC試験「プロジェクト・ロザリンド」の結果を公表していた。

 この試験では、優れた設計のCBDCが持ち得る30超のユースケースが調べられ、通貨に「プログラマビリティ」を導入するCBDCの可能性が強調された。

 BISイノベーション・ハブ・ロンドン・センターで責任者を務めるフランチェスカ・ホップウッド・ロード氏は、このBoEとのCBDC共同試験について、「世界中の機関がリテール型CBDCシステムの設計を検討しそれに従事する方法について、ロザリンドが大きく貢献できると信じている」と述べた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/international-central-bank-group-bis-global-financial-system-could-benefit-from-unified-cbdcs.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ