JPモルガン、JPMコインでユーロ建てBC決済を可能に

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 JPモルガンは、JPMコインのBC(ブロックチェーン)決済サービスを拡大し、法人顧客向けのユーロ建て取引を開始した。

 19年にドル建て決済向けにローンチしたこのプラットフォームでは、ホールセール決済利用の顧客は従来の決済方法の代わりにBC技術を使って世界中のJPモルガンの口座間でドルやユーロを送金したり、他の同社顧客に支払いを行ったりすることができる。

 JPモルガンのヨーロッパ・中東・アフリカのコインシステム担当者であるバサク・トプラク氏によると、企業の財務担当者は、このシステムを使って支払期日の直前に支払いを行うことで預金に対する利息収入を増やすなど、流動性をより効率的に管理することができるという。

 「適切なタイミングでの支払いにはコスト面でのメリットがある。預金に対する利息収入を増やすことができるのだ」とトプラク氏は説明した。

 JPMコイン決済は、一般的に営業時間内にのみ処理される従来の取引とは異なり、24時間365日運営され、より迅速に実行される。

 ドイツのシーメンスAGは、このサービスで初のユーロ建て決済を実施したという。

 一方、BCは解決できる問題を探している状態ではないかと疑問視する声もあるが、JPMコインは比較的成功しており、サービス開始以来で約3000億ドル相当の取引が処理されている。

 しかし、一日当たり約10兆ドル近くを処理するJPモルガンの決済事業全体からすると、このサービスはまだほんの一部に過ぎない。

 注目すべきは、多くの大手銀行が10年近く前から、プロセスの効率化を求めてBC技術を探求しているということだ。

 例えば、競合銀行のゴールドマン・サックス・グループ、バンコ・サンタンデール、ソシエテ・ジェネラルは、独自のBCおよびデジタル資産プロジェクトを進めている。

 ゴールドマン・サックスは、22年11月にデジタル資産プラットフォームを立ち上げ、顧客が不動産などの分野で金融証券をデジタル資産として発行できるようにした。

 この銀行大手3社は22年、欧州投資銀行がBC技術を利用してデジタル債券を発行するのにも協力していた。

●JPモルガン、BC技術とトークン化に強気堅持

 JPモルガンはこれまでもBC技術について強気の見方をとっており、この技術を使えばクロスボーダー決済が容易になると主張してきた。

 同行は4月、22年の市場低迷にもかかわらず、伝統的金融資産のトークン化計画を推進していると明らかにした。

 JPモルガンのデジタル資産・トークン化プラットフォーム「オニキス」の責任者であるタイロン・ロバン氏は当時、同行がすでにオニキスで7000億ドル近くの短期融資を処理しており、近い将来さらに増えることになると述べていた。

 ロバン氏は「われわれは、トークン化は伝統的金融にとってキラーアプリだと考えている」と語り、次のように続けた。

 「未公開市場(未公開信用取引、未公開株式、未公開不動産)を考えてみると、公開市場の2倍の規模があるが、流動性は桁違いに低く、非常に大きな格差がある」

 JPモルガンは22年10月、デジタルウォレットやWeb3デジタルIDのアイデアを検討していることも明らかにした。これは、「すべての人々が複数の場所で1つのデジタルIDを使用し、信頼できる方法でデジタル領域を自由に行き来することができる」ものだという。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/jpmorgan-enables-euro-denominated-blockchain-payments-through-jpm-coin.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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