タイ、シンガポールに続き暗号資産融資サービスを禁止

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 世界中で暗号資産(仮想通貨)取引所に対する取り締まりが強化される中、東南アジアでは、タイがシンガポールに続き個人向けの融資・ステーキングサービスを禁止した。

 タイSEC(証券取引委員会)は3日、暗号資産取引所による融資・ステーキングサービスの提供を禁止すると発表した。

 このニュースは、MAS(シンガポール金融管理局)が投資家保護のための新たな措置を発表した数時間後に報じられた。

 MASは、シンガポールの暗号資産取引所が個人顧客向けに融資・ステーキングサービスを提供することを禁止すると発表していた。

●タイSEC、新たな暗号資産取引所規定で投資家保護を優先

 シンガポールと同様、タイSECによるこの動きは投資家保護を優先していることを示している。

 しかし、新規定は機関投資家向けのステーキング・融資サービスを禁止するものではない。

 正確には、禁止措置は「預金者と貸し手にリターンを提供するすべての保管サービス」に適用されるということだ。

 さらに、タイSECは、取引リスクの免責事項の記載を義務付けた。暗号資産取引所は、取引リスク開示を明確かつ包括的な言葉で顧客に示さなければならない。

 「暗号資産はハイリスクです。投資額の全額を失う可能性があるため、暗号資産のリスクを十分に学び、理解してください」と免責事項には書かれている。

 さらに、暗号資産取引所の運営者は、顧客がサービスの利用に同意する前に、暗号資産リスクの潜在的なリスクを認識できるようにしなければならない。

 また、利用者がどの程度暗号資産に投資できるかを判断するため、投資家適正評価を実施することも義務付けられる。

 タイSECは22年3月、暗号資産の決済手段としての使用を初めて禁止した(同年4月1日に施行)。

 タイSECは、暗号資産が同国経済にもたらし得る金融不安の潜在的リスクについて懸念を示している。

 また、暗号資産決済を禁止する理由として、価格変動率の高さによる価値の損失、サイバー窃盗、個人情報漏洩のリスクを強調した。

 さらに、暗号資産はマネーロンダリングを助長する可能性があるとも指摘している。

●シンガポールの個人投資家向け暗号資産ステーキング・融資サービスの禁止

 タイSECの動きは、3日のMASの発表に続くものだ。

 MASは、取引所運営者が個人顧客に対して融資・ステーキングサービスを提供することを禁止した。

 MASは、暗号資産取引所に対し、23年末までにすべての顧客資産を信託するよう命じた。

 この措置は、暗号資産取引所が顧客資金を混合することを防ぎ、FTXのような混乱リスクを軽減することを目的としている。

●FTX破たんの余波に直面する暗号資産取引所

 22年第4四半期、FTXは大規模な取り付け騒ぎで資金繰りが行き詰まり、数十億ドルの顧客資産とともに破たんした。

 さらに、バランスシートの穴を抱えていた同社姉妹会社のアラメダ・リサーチと顧客資金を混合していたことも明らかになった。

 FTXの失敗は暗号資産市場に影響を与え、進行中の弱気市場を悪化させ、資産価格はさらに急落した。

 この波及効果により、多くの暗号資産企業が破たんに追いやられ、規制当局による企業に対する取り締まりが始まった。

 世界各国の規制当局は、FTXの破たんをケーススタディとして、投資家を損失から守るための新たな対策を打ち出している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/thailand-joins-singapore-banning-crypto-lending-services.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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