CFTC、セルシウスネットワークと元CEOの規則違反を認定
CFTC(商品先物取引委員会)の調査員は、暗号資産(仮想通貨)貸付業者セルシウスネットワークとその元CEO(最高経営者)アレックス・マシンスキー氏が、同社破たん前に米国の規則に違反していたとの判断を下した。
この調査結果は、セルシウスが投資家を誤解させ、CFTCへの登録を怠っていたことを示唆していると、ブルームバーグは5日に事情に詳しい関係者の話として報じた。
CFTC委員の過半数がこの結論に同意する場合、7月中にも連邦裁判所への提訴が行われる可能性があるという。
セルシウスネットワークの破たんはすでに法的措置に発展しており、ニューヨーク州検事総長のレティーシャ・ジェームズ氏は、マシンスキー氏がセルシウスの安全性についての虚偽の発言を行い、同社の財務状況を偽っていたと主張している。
ジェームズ氏が1月に起こした訴訟では、マシンスキー氏が2万6000人以上のニューヨーク市民を含む数十万人の投資家から数十億ドルを騙し取ったとしている。
ジェームズ氏は、マシンスキー氏が「虚偽かつ誤解を招くような表現」を用いて顧客を誘惑し、何十億ドルもの預金をさせたと指摘した。
マシンスキー氏と同氏の弁護士は、この訴訟にはセルシウスのビジネスに対する理解が不足しているとして、訴訟の棄却を求めている。
17年にセルシウスを設立したマシンスキー氏は、ICO(イニシャル・コイン・オファリング、暗号資産技術を使った資金調達)を通じて資金を調達した。
同社は、融資商品と暗号資産預金に対する魅力的な金利を提供し、新型コロナウイルスパンデミックの間に人気が急速に高まった。
マシンスキー氏はしばしば、これらのサービスを従来の銀行が提供するものよりも安全な代替品として位置付けていた。しかし、テラのアルゴリズム型ステーブルコインのテラUSD(UST)の崩壊と暗号資産市場の低迷は、同社に悲惨な結果をもたらした。
同社は多額の損失が出ていることを否定したにもかかわらず、顧客による資金の引き出しが殺到し、22年6月に出金を停止。その1カ月後、破産申請を行った。
破産申請書によると、SEC(証券取引委員会)とマンハッタンの連邦検察もセルシウスに対して独自の調査を行っている。
●米規制当局、暗号資産企業への監視を強化
CFTCのセルシウスに対する動きの背景として、同委員会は最近暗号資産業界への関与を強めている。
CFTCは3月、バイナンスとその創設者チャンポン・ジャオ(CZ)氏を、米国で未登録の暗号資産デリバティブ商品を故意に提供し、法律に違反した疑いで提訴した。
ブルームバーグの報道によると、CFTCのロスティン・ベナム委員長は最近、同委員会がデジタル資産市場における詐欺や操作に関連する85件以上の訴訟を起こし、40億ドル以上の罰金と賠償金をもたらしたと議員に報告した。
CFTCはビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)をコモディティとみなし、詐欺や操作が疑われる場合には権限を要求するなど、両通貨に対する管轄権を主張している。
これとは別に、SECも米国最大の暗号資産取引所であるバイナンスとコインベースに対して訴訟を起こしている。両社とも潔白を主張している。
さらにSECは23年に入り、暗号資産取引所のクラーケンとビットトレックス、そして暗号資産プラットフォームのネクソに対しても強制措置を取っている。
(イメージ写真提供:123RF)
https://cryptonews.com/news/cftc-finds-celsius-network-and-its-ex-ceo-guilty-of-breaking-rules.htm
This story originally appeared on cryptonews.com.
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