米リップル社、不動産資産のトークン化で実証実験

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●香港のCBDC試験運転で、不動産トークン化

米リップル社の、中央銀行デジタル通貨(CBDC)アドバイザーを務めるアントニー・ウェルフェア氏は6月末、リップル社チームがCBDCとステーブルコインの分野において、不動産資産のトークン化に力を入れていると話した。

ルーマニアで開催されたフィンテックカンファレンスUNCHAINに登壇し、デジタル香港ドル(e-HKD)、トークン化された不動産、金融レンディングプロトコルを組み合わせたユースケースを発表した形だ。

その関連でローンの担保として、不動産をトークン化することにも取り組んでいると述べた。

●背景

リップル社は5月、香港金融管理局(HKMA)が実施する「e-HKD試験運用プログラム」に参加し、不動産資産のトークン化を実現するユースケースを展開すると発表していたところだ。

e-HKDは、リテール向けのCBDCであり、オンライン、店舗、対面による支払いでの活用を想定している。プログラムにはリップルを含め16の金融・決済・技術企業が参加し、専門家と共にe-HKDの実用化、実装、設計を検討していく。

リップル社は、独自のCBDCプラットフォームとXRP Ledger(XRPL)のプライベート版を用いて、この試験運用プログラムで協力する形だ。

ブロックチェーンによるトークン化では、一般的に資産の流動性、アクセスしやすさ、効率性、透明性、セキュリティ強化が期待される。

また不動産投資では、支払い時間、複雑な事務手続き、高額な参入コストなどの参入障壁が存在しているが、トークン化によりこれを軽減できる。取引を迅速化し、不動産を複数人で分割所有するなど、新たな可能性を開く形だ。

――不動産トークンの事例
リップル社関連では、2022年11月、ポルトガルでXRP台帳を利用した不動産仲介プラットフォーム『ProprHome』が立ち上げられている。

このプラットフォームでは、不動産の購入や賃貸に際して、顧客に「DOC(デジタルプロパティ証明書)」と呼ばれるNFT(非代替性トークン)が発行される。物件の使用権を証明するために使用できるものだ。

また、不動産サプライヤー側を評価するトークンとして「Propr(PRP)」も発行される。誠実な接客サービスなどを行った場合にサプライヤーが取得可能で、プラットフォーム上の広告料支払いなどに利用できる。

また、日本では野村證券が、企業向けのブロックチェーン「Quorum」を用いて、不動産証券のデジタル化に乗りだしている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://coinpost.jp/?p=471833

CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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