SEC、「コインベースは証券法違反の可能性を認識していた」と指摘

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 米SEC(証券取引委員会)は、コインベースが一部の暗号資産(仮想通貨)を上場した際、証券法違反の可能性を認識していたと主張した。

 SECの弁護士は最新の提出書類の中で、米国最大の暗号資産取引所コインベースには高度な知識を持つ法律顧問がいたと指摘し、証券法違反の認識はなかったというコインベースの主張に反論した。

 SECの弁護士は、米ニューヨーク南部地区裁判所のキャサリン・ポーク・フェイラ氏判事に送った書簡の中で、「高度な法律顧問の助言を受けた数十億ドル規模の企業であるコインベースは、連邦証券法違反のリスクを知らなかったと主張している。また、21年にコインベースの登録届出書を承認したことで、SECがその時点、そして未来永劫にわたってコインベースの基本的な事業活動の合法性を確認したとも示唆している」と述べた。

 SECは、コインベース自身の行動がこの主張と矛盾していると指摘。

 具体的には、同社がサポートしている暗号資産の一部が証券取引法に違反する可能性があると、複数回にわたって株主に警告していたことを挙げている。

 「こうした行動は、コインベースがその行為に証券法が適用される可能性があることを理解し、その行為の合法性を評価する際に考慮すべきルールを認識していたことを明確に示している」

 SECは続けて、裁判で中心的な争点となるのは、コインベースが証券法に関して未登録のブローカーとして行動したかどうかであると述べた。

 コインベースのCLO(最高法務責任者)であるポール・グレワル氏はSECの主張に対して、「同じことの繰り返しである」と述べた。

 「投資契約は何よりもまず、発行者に対して強制力のある権利を必要とするという、数十年前の最高裁のハウィー判決における明白な要件を無視している。投資契約には、単にお金などを投資すること以上のことが必要だ」

 コインベースは6月29日の提出書類で、SECはデジタル資産取引所を「遡及的に」規制することはできず、暗号資産を規制するための「権力を掌握」しようとするSECは度を越していると主張。

 「このような不確実性に直面する中、権限が不足している規制当局は、権力を握ることはできない。それは立法府の管轄領域である」とコインベースは述べた。

●コインベース、規制当局による取り締まり強化の中で米国外への拡大目指す

 6月、SECは未登録証券の販売とその他多くの不正行為の疑いでコインベースを訴えた。

 また、証券取引や証券取引所としての登録を怠るなど、同社がさまざまな金融サービスを違法に運営していると指摘した。

 SECによる提訴に続き、コインベースは米国11州から理由開示命令を受け取り、州内での運営を停止すべきでない理由を正当化するよう命じられた。

 しかし、暗号資産企業は、これらの訴訟が終わるのを待っているわけではない。米国で最大かつ重要な暗号資産企業は、すでに友好的な国への移動を検討している。

 例えばコインベースはバミューダで新事業を開始しており、国際的な取引所を立ち上げる可能性がある。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/sec-coinbase-knew-about-potential-securities-law-breaches.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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