デジタル経済をビジネスにとって安全なものに
ヨーロッパでは、詐欺やAML(マネーロンダリング対策)がもたらす課題に積極的に対応すると同時に、ブロックチェーン基盤システムの素晴らしい可能性を活用するための取り組みが進められている。欧州委員会は最近導入されたMiCA(暗号資産市場規制)に沿って、マネーロンダリングおよびセキュリティ侵害に関連するリスクを軽減するため、包括的なデジタル金融規制案を発表した。この革新的な規制案は、暗号資産(仮想通貨)やCBDC(中央銀行デジタル通貨)の採用を促し、金融革新を促進するだけでなく、国境を越えた決済の迅速化も重視している。この画期的なEU(欧州連合)金融規制案を構成する重要な要素は、DLT(分散型台帳技術)の実証実験制度案である。
●リスクを軽減:EUのDLT実証実験制度
デジタル資産を含む取引の処理・決済を行う市場インフラに対応するため、欧州委員会は革新的な実証実験制度を導入した。この画期的なアプローチは、「サンドボックス」に似た管理された環境を確立し、既存の規制からの一時的な適用除外を可能にするものである。DLT実証実験制度は市場インフラの中でDLTを実際に体験する機会を規制当局に与えることで、強固な投資家保護を確立し、市場の整合性を守り、金融安定性を強化することを目的としている。また、企業がこの制度を利用し、実践的な実装を通じて既存のルールをテストし、改良することも可能となる。
●Axiologyプロジェクト:リップルとSUPER HOWが協力
EUの積極的な取り組みによって築かれたこの基礎の上で、リップルとSUPER HOW?はAxiologyプロジェクトと呼ばれる野心的な共同事業に着手した。このプロジェクトは、CBDCやステーブルコインを含むデジタル資産のテストおよび発行を促進する役割を果たし、こうした革新的なデジタル資産の安全性とセキュリティに対する規制当局の信頼を高めることができる。
リトアニアの民間ブロックチェーン技術研究ラボSUPER HOW?は、リップルとの提携において、CBDCを含む最先端プロジェクトの専門知識を提供する。
Axiologyは、DLT TSS(トークン化された証券取引・決済システム)インフラである。Axiologyを使えば、現在の資本市場インフラにある複数のレイヤーが1つの技術レイヤー上に共存できるようになり、さまざまな相乗効果、プロセスの効率化、新たなビジネスモデルを可能にする。Axiologyプロジェクトは、イノベーションを推進し、金融業界におけるブロックチェーン技術の採用を促進するというリップルの姿勢に一致するものである。
Axiologyのマリウス・ユリラスCEO(最高経営責任者)は、「リテール資本市場と暗号資産経済におけるEUのイニシアチブによって形作られた現在の規制環境は、完璧な開発環境を作り出し、新しいタイプのインフラ開発を必要としている。私たちはこのEUの方向性を強く支持し、この動きの一部となりたいと考えている」と語った。
XRPL(XRP台帳)の強力なテクノロジー上に構築されたAxiologyプロジェクトは、XRPL上のトークン化およびデジタル資産の明確かつ現実的なビジネス応用例をまた1つ新たに示している。
リップルの中央銀行エンゲージメント担当部長ジェームズ・ウォリス氏は、「リップルは、SUPER HOW?とAxiology分散型証券プロジェクトと協力することで、CBDCの現実世界でのユースケースを提供するというコミットメントをさらに強化できることを嬉しく思う。このプロジェクトは、EUのDLT実証実験制度規制の範囲内で規制に順守したインフラを開発することを目的としている。トークン化証券の決済には、CBDCやステーブルコインといったトークン化決済資産が必要だ。これにより、債券や株式などの証券資産の即時発行と決済が可能になる。このプロジェクトは、ヨーロッパの銀行によって発行され得るCBDCにとって、重要な学びとなるだろう」と述べた。
DLT実証実験制度は、リップルとSUPER HOW?が革新的企業として、すべての参加者のためにデジタル資産市場の安全性とセキュリティを促進する上で重要な役割を果たすための画期的なプラットフォームを提供する。Axiologyプロジェクトを通じてDLT実証実験制度に厳しいテストにかけることで、規制当局はデジタル資産の回復力と安全性に関して比類のない確信を得ることができる。
(イメージ写真提供:123RF)
https://ripple.com/insights/making-the-digital-economy-safe-for-business/
This story originally appeared on Ripple Insights.
最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ