BTCとETH、流動性低下で原油よりも低いボラティリティ

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 ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)はこの夏横ばいに推移しており、現在は原油よりもわずかにボラティリティ(変動率)が低くなっている。

 Kaikoの調査によると、悪名高い暗号資産(仮想通貨)のボラティリティの高さは、政府の政策からマクロ経済要因に至るまで、さまざまな要因によって急激に低下している。

 2大デジタル資産のボラティリティは現在、「原油価格をわずかに下回る数年来の低水準」まで低下している。

 ビットコインの90日ボラティリティ指標は35%で、イーサリアムはわずかに高い37%。世界の原油価格の90日ボラティリティ指標は41%である。この新たなトレンドについて、Kaikoの主任アナリストであるデシアラバ・イアネバ氏は「異常」であると指摘している。

 歴史的にみて、ビットコインとイーサリアムは石油や他の資産よりもボラティリティは高いが、過去3カ月ではビットコインは1BTC=3万ドル付近で推移している。

 23年に入り、ビットコインは年初来で80%急騰しており、ボラティリティがまた大きく上昇した。

 調査によると、石油のボラティリティは、暗号資産、金(ゴールド)、テクノロジーウエイトの高いナスダック総合指数など、Kaikoが評価した複数の資産の中ではトップである。それでも、22年7月における原油のボラティリティ指標は63%であり、過去12月で低下している。

 市場のボラティリティとは、ある期間における資産価格の変化の度合いや頻度のことである。リスク資産は変動が速く、投資家をより高いリスクに晒すため、高いボラティリティを特徴とすることが多い。

●マクロ経済的要因と市場動向

 Kaikoのアナリストは、ロシアのウクライナ侵攻が世界的な制裁につながったことや、中国のコロナ対策緩和後の景気回復が思わしくないことをなどによる、地政学的緊張をボラティリティ低下の理由として挙げている。

 イアネバ氏はまた、ビットコインのボラティリティは「資産が成熟し続けている」ために低下したと指摘。市場で導入が加速するにつれ、形成期と比較してボラティリティは低下するという。

 最後に、アナリストらはボラティリティ低下のもう1つのオンチェーン要因として、流動性に注目している。イアネバ氏は、過去数カ月間において、ビットコインやイーサリアムのような主要資産は、取引量と流動性ベースで過去最低を記録したと説明している。

 米国市場における最近の規制強化の動きに伴い、投資家はSEC(証券取引委員会)が現物ビットコインETF(上場投資信託)を承認するかについて少し懐疑的になり始めている。

 明るい材料としては、現物ETFの承認は数カ月先ではあるが、ビットコイン価格と市場全体の時価総額を最高値に押し上げる流れを作る可能性がある。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/kaiko-research-bitcoin-ethereum-are-now-less-volatile-than-ethereum-amid-dwindling-liquidity.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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