コインベース、8月31日からカナダユーザー向けUSDT取引を停止

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 暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベースは17日付けの電子メールで、テザー(USDT)、ダイ(DAI)、RAI Reflex Index(RAI)ステーブルコインのカナダユーザー向け取引を8月31日から停止すると発表した。

 この驚くべき動きは、コインベースが世界最大のステーブルコインであるUSDTなどの取引を含め、カナダ市場へのサービス拡大を発表した直後に起きた。

 同社は数日前、カナダ子会社を正式に立ち上げ、これまでの限定的な取引サービスの提供から一歩前進し、即時電子決済システムのサポートなど、カナダユーザーに幅広いサービスを展開すると発表していた。

 コインベースの国際担当副社長のナナ・ムルゲサン氏は、カナダのアプローチは「強制措置による規制」ではなく、「関与による規制」を採用しており、米国よりも融和的であると語っていた。

 しかし、17日の顧客向け電子メールで、最新の審査に基づき、USDT、DAI、RAIは同社の上場基準を満たしていないと発表。

 これらの暗号資産は8月31日午後12時(米国東部時間)に取引が停止される。しかし、カナダユーザーは取引停止後もこれらステーブルコインの出入金を行うことができる。

 「取引停止後も、顧客はRAI、DAI、USDTウォレットにアクセスすることができ、入出金機能を利用することができる」とコインベースはメールで述べた。

●暗号資産取引所、ステーブルコインに関するカナダの規制変更に対応

 コインベースはUSDT、DAI、RAIの取引を停止した具体的な理由を明らかにしていないが、暗号資産取引所のクリプトドットコムも1月に同様の動きを取っている。クリプトドットコムは、OSC(オンタリオ証券委員会)の指示を受け、カナダでのUSDTサポートを停止した。

 その1カ月前、CSA(カナダ証券管理局)は、USDTのようなステーブルコインや、ラップドビットコイン(WBTC)などその他価値に裏付けられた資産は証券とみなされるとの見解を示していた。

 暗号資産取引所はカナダ顧客に対し、証券やデリバティブに分類される暗号資産を取引したり、そのエクスポージャーを得ることができるサービスを提供してはいけないとCSAは強調した。

 この見解に従い、CSAは登録済みまたは登録待ちの暗号資産取引所に対し、規制機関と法的拘束力のある協定を締結するよう要求した。

 その協定の中では、顧客はCSAの書面による事前同意がない限り、暗号資産契約を通じて価値参照型暗号資産(一般的にステーブルコインとして知られる)を購入、貯金することが禁止されている。

 こうした圧力に対応し、コインベースはカナダ市場におけるUSDTのサポートを停止することで調整している。

 カナダのコインベースユーザーは、世界2位のステーブルコインとして位置付けられる同社独自のUSDコイン(USDC)には引き続きアクセスすることができる。

 USDTは法定通貨を準備金とすることでその安定性を維持しているが、DAIはハイブリッド型ステーブルコインとして運営されており、法定通貨とアルゴリズム両方の側面を融合させることで安定化を図っている。対してRAIは、原資産に縛られることのないアルゴリズム型ステーブルコインである。

 現在、CSAが中央集権型取引所での取引を承認しているステーブルコインは、USDCのみである。

 こうした新たな規制により、暗号資産取引所OKXは6月にカナダから撤退。同様に、バイナンスも「ステーブルコインと投資家制限に関する新たなガイダンス」を理由に、9月までにカナダ市場から撤退する予定だ。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/coinbase-halts-usdt-trading-for-canadian-users-starting-august-31.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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