1BTC採掘にかかる家庭用電力コスト(世界平均)は4万6291ドル=CoinGecko―収益性の高い国1位はレバノン共和国

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●電気代の平均コスト高騰

暗号資産(仮想通貨)データサイトCoinGeckoは18日、1BTCのマイニングにかかる家庭用電気料金を世界147カ国で比較したレポートを発表。地域ごとの格差が際立っており、ソロマイニングの収益性を大きく左右することが明らかになった。

"1BTCを採掘するための平均的な家庭用電気料金は4万6291ドルで、2023年7月のビットコイン(BTC)の平均価格である約3万ドルを35%上回った。"

"個人マイナーが1BTC採掘するには平均26万6000キロワット時(kWh)の電力が必要な計算であり、このプロセスが完了するには約7年もの歳月がかかり、月間約143kWhの電力消費量がかかることになる。"

147カ国における1BTCの採掘コストは、1時間あたりの1キロワット(kWh)の電気代(米ドル)で示されている。1BTCを採掘するためにかかる電力は、ハッシュレートの異なる8種類のマイニング機器を参照。設定した難易度に基づき、1BTCの採掘にかかる平均時間を算出した。

家庭用電気料金の地域格差は大きい。近年でインフレや電気代高騰に悩まされるヨーロッパが突出して高く、ソロマイナーが1BTCを採掘する際の地域平均コストは約1245万円(8万5767ドル)。一方、アジア地域の平均コストは約296万円(2万635ドル)だった。

また、同じアジア地域でも日本のソロマイナーが負担し得る電気代は約930万円(6万4111ドル)と算出されており、中東のレバノン共和国の約3万8600円(266ドル)とは大きな隔たりがある。

世界的に見ると、家庭用電気料金という条件のみで判断した場合、ソロマイニングで採算の取れる国は65カ国に限られるとレポートは指摘している。そのうちの34カ国はアジア、18カ国がアフリカで、南北アメリカで8カ国、ヨーロッパでは5カ国という結果になった。

●収益性の高い国々

ソロマイニングで最も収益性の高い上位10カ国は、家庭用電気料金の比較的安い東南アジアやアフリカの国々だった。

1位:レバノン  (266ドル)
2位:イラン   (532ドル)
3位:シリア   (1330ドル)
4位:エチオピア (1596ドル)
5位:スーダン  (2128ドル)
6位:リビア   (2660ドル)
6位:カザフスタン(2660ドル)
8位:アンゴラ  (3724ドル)
9位:ジンバブエ (3990ドル)
10位:ブータン (4256ドル)

イランの場合、電気料金は安いが、主に電力消費が急増する夏と冬の時期にマイニングを禁止する政策をとっていることが指摘された。

一方、仮想通貨のマイニングおよび取引と使用を完全に禁止している国もある。アジアでは中国、イラン、バングラデシュ、ネパールとカタールの5カ国。アフリカでは、アルジェリア、エジプト、モロッコ、チュニジアの4カ国となっている。レポートによると、モロッコ以外の8カ国では、ソロマイナーがビットコインマイニングで収益を上げる可能性があるという。

●採算が取れない国々

調査の対象となった147カ国のうち、82カ国ではソロマイニングは採算が合わないという結果となった。1BTCの採掘コストが高いトップ10は以下の国々。

1位:イタリア   (20万8560ドル)
2位:オーストリア (18万4352ドル)
3位:ベルギー   (17万2381ドル)
4位:デンマーク  (16万6795ドル)
5位:ドイツ    (16万3336ドル)
6位:アイルランド (15万9612ドル)
6位:リトアニア  (15万2163ドル)
8位:オランダ   (13万7798ドル)
9位:イギリス   (13万616ドル)
10位:ケイマン諸島(12万8222ドル)

(イメージ写真提供:123RF)

https://coinpost.jp/?p=478150

CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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