ジャコビの現物ビットコインETF、エネルギーへの懸念が高まる中ESGラベルを取得

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 ジャコビ・アセット・マネジメントが、欧州市場で開始したジャコビFTウィルシャー・ビットコインETF(上場投資信託)に、ESG(環境・社会・ガバナンス)ラベルを付与した。

 このSDFR(欧州サステナブル・ファイナンス開示規則)第8条に基づく発行者による資産分類は、それがESG投資規則を推進していることを意味する。

 ブルームバーグの29日の報道は、このREC(再生可能エネルギー証書)への投資を通じた完全脱炭素化プロジェクトについてのジャコビのマーティン・ベドナルCEO(最高経営責任者)の見解と共に、この分類に触れている。

 この脱炭素化戦略は、ESG投資家が環境への影響を心配することなくこのETFに参加できるようにすることを目指すものだ。

 同社はパートナーを通じて同ETFの原資産であるビットコイン(BTC)のエネルギー消費を定量化し、同じくブロックチェーン技術に裏付けられた必要なRECを購入している。

 RECの導入とコンプライアンスを取り扱うズーモで環境マネージャーを務めるカースティン・ハリソン氏は、世界的政策を形成する可能性があるこの分野におけるマイルストーンとして、このプロジェクトを称賛した。

 「暗号資産の脱炭素化は、新興のデジタル資産分野が直面している喫緊の課題の1つだ。全ての事業で、脱炭素化への信頼できる計画を持つことへの圧力が高まっている。ジャコビ・アセット・マネジメントと密接に協力し、同社がESGに沿った将来性のある暗号資産商品を構築できるよう支援している」

 RECは、太陽光、風力、水力などの再生可能で環境に優しい資源からエネルギーを生み出していることの証明となる。最終消費者に到達すると自動的に消滅することが、RECの特徴だ。

●規制のみが米国を止め得る

 ジャコビが採用したこのモデルは多方面で称賛されているが、ビットコインのエネルギー強度の高さに基づき、ビットコインの総消費量を大幅に上回るRECを購入すべきだとの批判も出ていることは、注目に値する。

 ジャコビの現物ビットコインETFは、ユーロネクスト・アムステルダム証券取引所で立ち上げられ、米国市場が「厳しい」SEC(米証券取引委員会)に苦戦する中、欧州初の現物ビットコインETFとなった。

 欧州での環境要因はRECで対処されるので、気候変動活動家は米国の現物ビットコインETFへの投資を環境に優しいものとみなし、経営陣とっての問題は規制上のハードルのみとなる。

 多数の大手資産管理会社の申請にもかかわらず、SECが市場操作を懸念しているため、米国ではまだ現物ビットコインETFが承認されていない。

 SECによる承認は、この分野への投資家の信頼が回復する中、新たな流動性が市場に注がれることで次の強気相場をもたらすと言われている。

 米国の連邦裁判所は最近、現物ビットコイン申請でグレイスケールを支持し、SECの「拒否」を退ける判決を下しており、強気筋がさらなる価格急騰に注目する中、承認の可能性に関する新たな議論が生じている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/jacobi-spot-bitcoin-etf-gets-esg-label-amid-surging-energy-concerns.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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