コインベース、米機関投資家向け暗号資産融資サービスを立ち上げ

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 コインベースは、米国の機関投資家を対象とした暗号資産(仮想通貨)融資サービスを新たに立ち上げると発表した。ジェネシスやブロックファイといった企業の挫折によって残された空白を埋める狙いだとみられる。

 コインベースの暗号資産融資プログラムは、9月1日のSEC(米証券取引委員会)への提出書類によって明らかとなった。

 この提出書類によると、コインベースは既存子会社であるコインベースクレジットの下で同サービスの適用除外を求めており、関係者としてコインベースCFO(最高財務責任者)のアレシア・ハース氏の名を挙げている。

 書類によると、コインベースプライムサービスを利用する顧客はすでに同融資プログラムに5700万ドルを拠出している。

 コインベースプライムとは、フルサービスのプライムブローカレッジプラットフォームである。機関投資家はこのプラットフォームを使って、取引を実行したり、資産を安全に保管したりすることができる。

 コインベースの広報担当者は5日、次のように述べた。

 「コインベースはプライム機関投資家顧客向けに暗号資産融資プログラムを立ち上げる。このサービスにより、機関投資家はレギュレーションDの免除となる商品において、標準化された条件の下で、コインベースに暗号資産を貸し出すことを選択することができる」

 レギュレーションDの免除により、企業はSECに登録する必要なく、指定された範囲内で証券を販売することができる。

●コインベース、融資プログラムの担保に暗号資産を利用

 この融資プログラムでは、顧客は暗号資産を中心として資金をコインベースに貸し出し、融資額を超える担保を受け取ることができる。この過剰担保はリスク回避措置としての役割を果たす。

 コインベースは、金融分野で伝統的な銀行が提供するプライムブローカレッジサービスと同様に、機関投資家顧客に担保付き融資を提供することができる。

 「コインベースは、100年以上前に構築された金融システムを一新し、暗号資産を使って人々にさらなる経済的自由と機会を提供するために取り組んでいる。この目的を進めるため、コインベースは最も信頼のある暗号資産商品・サービスを構築し、他の構築者を支援することで、10億人を暗号資産に引き込もうとしている」

 ジェネシスとブロックファイも以前、米国で同様の融資サービスを提供していたが、両社とも22年大きな損失に見舞われ、結果として破産手続きを行っている。

 コインベースは以前にもさまざまな融資プログラムを提供しようと試みたことがある。具体的には、個人投資家が担保としてビットコイン(BTC)を預けることで現金融資を受けることができる「コインベースボロー」というサービスを、コインベースクレジットを通じて提供していた。

 既存ユーザーはまだこのサービスの一部にアクセスすることができるが、新規ローンの受付は停止されている。

 さらに、コインベースにはUSDコイン(USDC)を貸し出したユーザーに利子を提供する、利子付きの「レンドプログラム」を開始する計画もあった。

 しかし、SECからの警告を受け、同プログラムは21年9月に中止された。正式なローンチ前に中止されたため、直接影響を受けたユーザーはいなかった。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/coinbase-launches-new-crypto-lending-service-for-institutional-us-clients.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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