香港とイスラエルのCBDCプロジェクト、データプライバシーとセキュリティを優先
BIS(国際決済銀行)、香港中央銀行、およびイスラエル中央銀行による共同プロジェクトで、CBDC(中央銀行デジタル通貨)がプライバシーを損なうことなく中央集権型台帳上で取引を決済できることが実証された。
プロジェクト・セラと名付けられたこの共同実験は、物理的現金の利点を維持しつつ、アクセス性、競争性、安全性を兼ね備えたリテール型CBDCが実現可能であることを証明したと、BISは発表した。
実験では特に、運営コストを最小限に抑えながら、流動性と決済に関連するリスクを軽減する方法が検討された。
コストを抑える重要な方法のひとつは、「Access Enabler」と呼ばれるソリューションである。BISによると、このソリューションを利用することで、加盟店はユーザーのCBDCを実際に保有することなく、ネットワークに参加し、決済を円滑に行うことができるという。
その他の重要な検討事項としては、サービスプロバイダーがCBDCを受け入れ、利用する際の障壁を低くすること、CBDC口座に関連する特定の活動を官民両セクターの間で分散させることなどが中心となっている。
●「現金の望ましい属性」を維持
BISによると、リテール型CBDCは「現金の望ましい属性」というものを維持する必要がある。その属性とは、広いアクセスや即時決済が可能で、低コストで利用でき、「適切なレベルのプライバシー」を備えていることである。
プライバシーについて、プロジェクト・セラで使用されるCBDCは、個人識別子を難読化することで同レベルのプライバシーを維持しているとBISは説明している。
HKMA(香港金融管理局)のハワード・リー副長官はこのプロジェクトについて、香港やその他の地域でどのようにリテール型CBDCを導入できるかについて、貴重な見識を得ることができたとコメント。
「HKMAは、香港にリテール型CBDCを導入するかどうか、またいつ導入するかについてはまだ決定していないが、プロジェクト・セラの成果はデジタル香港ドルの可能性についての現在進行中の調査に役立つだろう」と述べた。
続けて、「プロジェクト・セラが、他の中央銀行がさまざまなリテール型CBDC構造を評価する際にも役立つと期待している」と述べた。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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