SECゲンスラー委員長、「暗号資産業界は違法行為と法的課題がまん延している」
米SEC(証券取引委員会)のゲイリー・ゲンスラー委員長は、暗号資産(仮想通貨)業界でコンプライアンス問題と不正行為がまん延していることについて再び懸念を表明した。
最近のベター・マーケッツ主催のカンファレンスで、ゲンスラー委員長は、すべてのトークンについて早まった判断を下すことはできないが、暗号資産業界のかなりの部分が証券法に該当するものの、規制を遵守していないままであると指摘した。
「どのトークンについても早まった判断をすることはないが、この暗号資産業界はその大部分が証券法の対象である。しかし残念ながら、その大部分は規制を遵守していない」と同氏は主張した。
同氏は、暗号資産は損失を被った数百万人の投資家に破壊的な影響を当てたと主張。これらの問題は暗号資産業界を超えて、より広範な金融システムに影響を及ぼす可能性があると指摘した。
「数百万人の投資家がこの分野で被害を受けている」と同氏は述べた。
「それは投資家を傷つける可能性のある分野だが、投資家の信頼を傷つける可能性があるため、経済にも被害が及ぶ可能性がある。金融は信頼の上に成り立っている」
ゲンスラー氏は、投資家の信頼の重要性を強調。金融は信頼に依存しており、その信頼が損なわれれば、広範囲に影響を及ぼす可能性があると述べた。
暗号資産経済全体は、数兆ドル規模の資本市場に比べれば比較的小さなものであることを認めながらも、ゲンスラー氏は暗号資産経済が投資家の信頼に与え得る被害を重要視している。
同氏は、23年に起きた地方銀行の破たんと、銀行と暗号資産分野とのつながりの間にある直接的な関連性を指摘した。
●ゲンスラー委員長、暗号資産関連の不正活動は大規模だと主張
ゲンスラー氏は、暗号資産業界における高度な不正行為について懸念を示し、違法行為がこれほどはびこっているのは見たことがないと語った。
「これほど不正行為が横行していることや、法の外に逃げようとする人々を見たことがない」と同氏は述べた。
また、有名人による宣伝や、管轄地域をまたいだ規制の裁定を悪用しようとする試みも批判した。
しかし、議会で可決された既存の法律がすでにこうした問題に対処しているため、新たな規則や法律は必要ないと改めて強調した。
具体的に、マネーロンダリング対策、制裁、証券、商品取引所に関する法律を例として挙げた。
カンファレンスの間、最近の裁判における「同情的な裁判官」についての司会者の発言に対して、ゲンスラー氏が直接語ることはなかった。
8月、米コロンビア特別区控訴裁判所はグレイスケールに有利な判決を下し、SECにグレイスケールの申請拒否を無効にし、審査プロセスを再開するよう命じた。
同裁判所は、SECがビットコイン先物ETFを認めながら、現物ビットコインETFを拒否する正当な理由はないと判断した。
別のケースでは、SECによって起こされた現在進行中の訴訟において、取引所でXRP(XRP)を販売すること自体は投資契約に当たらないとし、リップルに有利な判決が下された。
ゲンスラー氏は12日、米上院銀行委員会に出席し、多くの暗号資産はSECの規制範囲に入るべきだとの見解を改めて強調した。
「この話は前にも聞いたことがある。連邦証券法が整備される前の1920年代の状況を彷彿とさせるものだ」と同氏は述べた。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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