ポルトガル中銀総裁、世界的な暗号資産規制を求める

Portugal124963755_s.jpg

 ポルトガル銀行(中央銀行)のマリオ・センテノ総裁が、暗号資産(仮想通貨)規制の世界的枠組みに向けた国際的協調を訴えた。

 同氏によると、デジタル資産の性質上、規制のアービトラージによって悪意者が付け込む抜け道が生じる可能性があるため、一国の努力だけでは投資家を保護できないという。

 2日に開催された23年ポルトガル銀行金融安定会議で発言したセンテノ氏は、MiCA(暗号資産市場)規制を称賛し、多額の損失に繋がった最近の市場暴落を受けて一部の暗号資産商品を批判した。

 MiCAについて、同氏はその強固な規制枠組みと、各国が法律の規定に基づき国内のコンプライアンスを追求する手法を称賛した。

 集団的活動を提唱する同氏は、この市場が極めて新しいという事実に基づき、「同じ規制で同じリスク」の原則を訴えた。

 「現在の金融情勢は、絶え間ないイノベーション、デジタル・プラットフォームへの依存の高まり、そして金融及び非金融活動を行う集団の出現によって、ますます急速に進化している。これらの世界的リスクや国際的プレイヤーを、国家レベルで規制監督すれば十分だと考えるのは近視眼的だ」

 同氏は、規制当局は市場のイノベーションの制限と効果的な規制とを両立させる必要があると付け加えた。

 世界では、他の規制当局も、当局が協力し法律を調和させることができる世界的枠組みの必要性を訴えている。

 23年には、インドの首相がG20の首脳陣に対し、IMF(国際通貨基金)やFSB(金融安定理事会)の勧告に沿った枠組みを採用するよう促した。

●一部の暗号資産商品は「持続不可能」

 同総裁は、世界的規制を求めることとは別に、暗号資産は価格低下や国際的なリーチといった一定の利益をもたらすが、市場の広がりが懸念をもたらしていると述べた。

 同氏は、コロナウイルスのパンデミックの間デジタル資産は勢いを増し、多くの資産が史上最高値を記録したが、過去数年間での価格下落や事業破綻で持続不可能なことが証明されているとした。

 注目すべき例が、市場から莫大な金額が失われ、世界的なボトルネック規制に繋がった、テラ・ネットワークの崩壊やFTXの破綻だ。

 「暗号資産とDeFi(分散型金融)は、このリスクの好例だ。暗号資産とDeFiの支持者は金融の民主化について語っているが、この分野の高度な技術的性質を考えると、それが実現するかどうかは明らかではない」

 同氏は最後に、デジタル資産が存続するかどうかは不明だが、欧州の規制当局は伝統的金融とDeFiとの完璧な相乗効果を生み出すことに沈黙しているわけではないと述べた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/bank-of-portugals-chief-pushes-for-global-crypto-regulation-heres-what-you-need-know.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ