バイナンスとＯＫＸ、英ＦＣＡの新規制に準拠するため暗号資産事業を整備

　大手暗号資産（仮想通貨）取引所のバイナンスは、１０月８日から適用される英ＦＣＡ（金融行動監視機構）の新たな「金融プロモーション制度」に準拠するため、英国ユーザー向けに専用ドメインを立ち上げた。

　同社は新たなドメイン「Ｂｉｎａｎｃｅ．ｃｏｍ／ｅｎ－ＧＢ」で、英国の個人顧客に最新の規制に沿った特定の商品とサービスのみを提供していく。

　これら商品には、ＦＣＡによって承認された暗号資産および法定通貨預金の引き出し、現物・証拠金取引、ＮＦＴ（非代替性トークン）マーケットプレイス、バイナンスペイなどのサービスなどが含まれる。

　バイナンスは６日付けの公式発表で、同社のマーケティング資料やコミュニケーション資料を「承認」するＰ２Ｐ（ピアツーピア）レンディングプラットフォーム、リビルディング・ソサエティと提携したと述べた。

　「この提携と新たなドメインにより、金融プロモーション規定に準拠した形で英国でサービスを提供することができる」

　バイナンスが英国でのサービスを終了するその他のサービスには、紹介ボーナス、リサーチとアカデミー、ギフトカードなどがある。

　この措置は８日から実施されており、個人ユーザーのみに適応されると同社は説明している。

　「リビルディング・ソサエティとのパートナーシップにより、英国における規制上のコミットメントを果たし、ユーザーに途切れなくサービスを提供できることを嬉しく思う」

　ＦＣＡは９月、紹介ボーナスのようなインセンティブの禁止を含む、暗号資産マーケティング規制が１０月８日から施行されると発表。「この１０月から、暗号資産企業は英国の消費者に対し、明確、公正かつ誠実にマーケティングを行わなければならない」と述べた。

●ＯＫＸが変更を発表

　バイナンスに続き、取引所ＯＫＸは７日、金融プロモーション規制で定められた要件に準拠した新たなユーザーエクスペリエンスを含む、既存サービスの「いくつかの重要な変更」を発表した。

　「例えば、提供するトークンを４０種類強に減らし、明確で目を引くリスク警告を掲載した」と同社は述べた。

　ＯＫＸはまた、英国の顧客向けに専用Ｘ（旧ツイッター）アカウントを開設し、最新情報や承認された商品・サービスを公開している。

　ＦＣＡの新制度は、英国ユーザーが暗号資産取引に関連するリスクとトレードオフを認識できるようにすることを目的としており、その結果として業界におけるリスクは軽減され、規制が導入される可能性も出てくる。

　「責任ある取引に対する当社の長年のコミットメントに完全に一致するものであるため、この新規制に喜んで準拠する。取引高で世界有数の暗号資産取引所として、顧客を教育することは当社の義務だと考えている」と同社は述べた。

（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）

This story originally appeared on cryptonews.com.