カリフォルニア州の暗号資産規制は企業撤退を促すか

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 カリフォルニア州がデジタル金融資産法に署名したことを受け、業界ではこの法律がもたらす潜在的な影響について懸念が高まっている。

 ギャビン・ニューサム知事は13日、北米のブロックチェーン企業の4分の1近くが拠点を置くカリフォルニア州で暗号資産(仮想通貨)業界を規制することを目指し、同法案に署名した。

 この法律は、15年に発表された際に暗号資産業界から大きな反発を受けた、ニューヨーク州の「ビットライセンス」法案に類似している。

 当時米国の有名暗号資産企業の1つであったクラーケンは、この法律を「全くひどいもの」と非難し、ビットフィネックスやローカルビットコインズなどとともに同州から撤退した。

 米国最大の暗号資産取引所であるコインベースでさえ、連邦政府のマネーロンダリング防止規則と重複していると法律を批判し、必要な変更を提案した。

 23年、コインベースはコンプライアンス対応の不備で5000万ドルの罰金を支払った。

●カリフォルニア州のビットライセンス、違いは?

 コインベースのCLO(最高法務責任者)であるポール・グレワル氏はX(旧ツイッター)への投稿で、今のところ希望はあると述べた。

 「われわれは、これについて声を上げ、『消費者を被害から守ることと、責任あるイノベーションを促進することの適切なバランスをとることが不可欠である』と主張したギャビン・ニューサム知事の声明に励まされた」と同氏は述べた。

 しかし、カリフォルニア州には、ジャック・ドーシー氏率いるブロックなどの大手企業を含む、国内ブロックチェーン企業の4分の1が拠点を置いているため、懸念は残る。

 不明確な規制によって、これら企業が州から追い出される可能性を危惧する声も多い。

 法律の現行版には、デジタル金融資産事業活動に従事する個人に対し、金融保護・イノベーション局からライセンスを取得することを義務付ける厳しい規定が設けられている。

 また、分散型システムのライセンス要件や、NFT(非代替性トークン)および非法定通貨ステーブルコインの取り扱いに関しても不確実性がある。

 コインベースは電子メールで、同州を撤退する計画はないと確認している。

 カリフォルニア州の法律に対するクラーケンの反応も、ニューヨーク州の法案に対する強い批判に比べれば慎重なものとなっている。

 クラーケンは、カリフォルニア州の議員や規制機関と協力し、同州の顧客が引き続き高品質なサービスを利用できるよう取り組んでいくと表明した。

 カリフォルニア州で大きな存在感を示すブロックチェーンおよびソフトウェア企業のコンセンシスは、法律の進捗状況を注意深く観察している。

 コンセンシスの首席弁護士兼グローバル規制事項担当ディレクターのビル・ヒューズ氏は、金融関連の法律には曖昧さが生じることが多いと述べた。

 同氏は、規制を制定し、明確で効果的な法律を確立するため、業界参加者が金融保護・イノベーション局と協力することが重要であると主張した。

 特に暗号資産取引所FTXの崩壊など、22年の出来事を受け、デジタル資産分野の規制に向け業界は協力して取り組んでいる。

 最近、G20財務大臣・中央銀行総裁はマラケシュで共同声明を出し、暗号資産の規制を目的とした包括的なロードマップを全会一致で採択したと発表した。

 共同声明は、インドを議長国とするG20の第4回財務大臣・中央銀行総裁会議の中で発表された。

 ロードマップは、国際金融の安定性を高め、暗号資産が国際経済の枠組みの範囲内で効果的に管理される環境の整備を目指すものである。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/californias-crypto-regulation-will-it-push-firms-out.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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