テザーのパオロ・アルドイノ氏、準備金のリアルタイムデータ公開計画を明らかに

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 世界最大のステーブルコイン・テザー(USDT)の発行企業であるテザー・ホールディングスが、準備金のリアルタイムデータを提供する計画を発表した。

 同社のCTO(最高技術責任者)であり、次期CEO(最高経営責任者)パオロ・アルドイノ氏は、同社が24年までに準備金のリアルタイムデータの公開を開始する意向であると明らかにした。

 しかし、テザーはその後、この計画を実現する期限は設けていないと述べている。

 テザーの透明性ページによると、同社は現在少なくとも1日に1回、準備金データを公開・更新している。

 また、毎月の準備金報告書を公開し、四半期ごとに準備金評価を実施している。

 リアルタイム報告を実施するという動きは、透明性を高め、テザーのステーブルコインの裏付けに関する懸念に対処することを目的としている。

●テザー、市場低迷にもかかわらず拡大し続ける

 23年、暗号資産(仮想通貨)市場全体が低迷したにもかかわらず、テザーはその勢いを維持している。
 
 テザーの第2四半期報告書によると、同社の資産は5.7%増加し、865億ドルとなった。

 同社の運営利益は10億ドルを超え、これは前四半期から30%の増加となっている。

 また、同社は22年12月にステーブルコインを使った融資をゼロにしたにもかかわらず、23年にステーブルコインの融資が増加している。

 これは、テザーのステーブルコインに対する需要の高まりと、暗号資産市場における融資商品としてのその有用性を示している。

 テザーは会計事務所BDOからの第2四半期の証明書で、超過準備金が8億5000万ドル増加し、総額33億ドルに達したと明らかにした。

 同社はまた、MMF(マネー・マーケット・ファンド)が保有する米国債や、オーバーナイトレポの担保となる米国債に対して、約720億ドルの間接的なエクスポージャーを持っていると明かしている。

●ペイパルのPYUSDで賑わうステーブルコイン市場

 8月、ペイパルはペイパルUSD(PYUSD)をまもなく発行すると発表した。

 米ドルに裏付けされるペイパルUSDは、バイナンスUSD(BUSD)を発行していたブロックチェーンインフラ企業であるパクソスが発行する。

 ステーブルコイン市場は現在、米ドルペッグトークンの中で圧倒的に規模が大きく流動性の高いテザーが支配しており、サークルのUSDコイン(USDC)がそれに続いている。

 ペイパルは世界中何億ものウォレットに普及していることから、ステーブルコインの勢力図を揺るがす力があると考える人もいる。

 ペイパルのユーザー数は4億2000万人に上る。そして、もしペイパルユーザーのかなりの部分が手数料の安い取引を求めてペイパルUSDを利用すれば、加盟店もそれに続き、ペイパルUSDは主流として採用されるようになるだろう。

 しかし、テザー共同創設者のひとりであるウィリアム・クイグリー氏は、ペイパルのステーブルコインは特に米国外で普及が大きく拡大することはないと考えている。

 同氏は最近のクリプトニュースの取材で、「ペイパルがステーブルコイン市場で支配的な役割を果たす可能性は、特に米国外で非常に低い」と述べた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/tethers-paolo-ardoino-reveals-plans-for-real-time-reserve-data-reporting-will-transparency-lead-to-a-new-bull-market.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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