インド中銀総裁、暗号資産は新興市場により高いリスクもたらすと警告

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 RBI(インド準備銀行)のシャクティカンタ・ダス総裁が、特に新興市場の経済に対し、暗号資産(仮想通貨)が世界の金融安定性にもたらす脅威を改めて警告した。

 ムンバイで開催されたビジネス・スタンダードBFSIインサイト・サミット2023において、ダス総裁は、暗号資産の責任を持った取扱いの重要性を強く主張した。

●RBI総裁、暗号資産に関するリスクを強調

 ダス氏は、暗号資産に関連する潜在的リスクを強調した。同氏は、特に新興市場における国ごとの規制の必要性を指摘するIMF(国際通貨基金)及びFSB(金融安定理事会)の統合文書に言及した。

 この文書は、暗号資産規制のガイドラインとロードマップを提供している。

 ダス総裁は、暗号資産規制の課題について懸念を表明し、これらのデジタル資産の性質について根本的な疑問を提起した。

 ダス氏は、暗号資産が何を意味するかの明確で広く受け入れられた定義が欠けていると指摘した。同氏は、暗号資産はその無形の性質から商品、金融資産、あるいはまったく別の何かのいずれに分類されるべきなのかと疑問を投げかけた。

●インド、暗号資産との競争回避でCBDC推進

 ダス総裁は、CBDC(中央銀行デジタル通貨)との比較で暗号資産の広範な目的を理解する必要性も強調した。同氏は、国際及び国内取引においてCBDCが実現できない何を暗号資産が提供するのかについて、説得力のある説明を求めた。

 ダス総裁は、中央銀行が発行する主権通貨と民間暗号資産の共存に関する重大な問題を挙げた。同氏は、世界中の政府と中央銀行はこの新たな通貨システムに満足しているのかと疑問を呈した。

 G20の財務大臣及び中央銀行総裁は以前、このIMF‐FSB統合文書で提案された暗号資産ロードマップを採択した。このロードマップは、暗号資産関連リスクに対処する世界的取り組みを反映し、迅速で協調的な実施を求めている。

 ダス氏は、暗号資産企業の懸念は理解しているが、RBIはマクロ経済の安定性維持を重視していると強調した。同氏は、規制当局の意図はイノベーションの抑圧ではなく、イノベーションがより広範な公共の利益と合致し、社会に有益な目的を果たせるようにすることにあると明言した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/rbi-governor-warns-of-crypto-risks-to-emerging-markets.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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