デロイトとパクソス、ステーブルコインおよび金融革新への意見を共有

57941000_s.jpg

 デロイトのプリンシパル兼パートナーであるリチャード・ローゼンタール氏によると、銀行と大手機関は、最近のペイパルの暗号資産(仮想通貨)参入を受けて、ステーブルコイン業界への道を模索している。

 パクソスの戦略責任者であるウォルター・ヘサート氏との対談の中で、両氏は、ドル連動の暗号資産トークンが市場にもたらし得る利益と、最近の出来事で企業がそれらに手を出す意欲をどれだけ高めているかについて議論した。

 ローゼンタール氏は、7日に配信されたポッドキャスト番組アメリカン・バンカーの中で、「多数の銀行が、どのように関与するかを研究し調査している」と述べ、次のように続けた。

 「準備銀行になれないか?ステーブルコインを裏付ける多額の現金を銀行に預けないか?ステーブルコインの流通を支援し、清算や発行を助けるインフラを提供できないか?...彼らはチャンスを見出している。だから彼らは関与するだろう」

 ステーブルコインとは、米ドルなどの法定通貨のように比較的「安定した」資産に価値連動した暗号資産トークンのことだ。テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などが現在利用できる最も有名なステーブルコインで、発行者は主に現金と米国債からなる何十億ドルもの準備金でトークンを裏付けている。

 ローゼンタール氏が務めるデロイトは23年、USDコインを発行するサークルの財務諸表の監査を始めた。同社はさらに、米国唯一の上場暗号資産取引所で、世界最大のビットコイン(BTC)ファンドであるグレイスケールに資産カストディを提供しているコインベースも監査している。

 ローゼンタール氏は、ドルや他の資産のトークン化は、特に国際送金で「既存の清算サイクル」に閉じ込められた市場流動性を解放する上で、多数のことをなし得ると考えている。トークン化資産はスマートコントラクトにも対応し、「自動化ロジック」を通じて手続きを「より効率的」にする。

 「顧客、銀行、そして市場は、トークン化MMF(マネー・マーケット・ファンド)への証券貸付から、銀行預金、モーゲージ・サービシング権、デジタル化レポまで、幅広いユースケースを検討している」と同氏は続けた。

●ペイパルのステーブルコイン参入

 ペイパルは8月、ウェブ3に焦点を当てたステーブルコインのペイパルUSD(PYUSD)を発表し、その現在の時価総額は4440万ドルに達している。その立ち上げ後、SEC(米証券取引委員会)は同社に召喚状を出し、同トークンに関係する資料を要求した。

 また、SECは2月、ステーブルコインのバイナンスUSD(BUSD)は未登録の証券だと主張し、パクソスに対しバイナンスUSDの閉鎖を強制した。にもかかわらず、パクソスとデロイトはペイパルの商品が業界を大きく変えると見ている。

 「彼らは他の決済会社に対し、ステーブルコインは本物の商品だと言っているのだ。それは今や保有可能な信頼できる商品だ。ペイパルが裏付けるより安全な商品だ」とヘサート氏は語った。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/deloitte-paxos-share-insights-on-stablecoins-and-financial-innovation-heres-what-you-need-to-know.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ