バンカメ、CBDCは拡大傾向もデジタルドルがすぐ発行される可能性は低いと指摘

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 バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)によると、米国はデジタル・ドルに取り組んでいるが、実際にすぐ発行される可能性は低いという。

 アルケシュ・シャー氏が率いるアナリストらは13日のレポートで、世界のGDP(国内総生産)の98%を占める67%の国々の中央銀行がCBDC(中央銀行デジタル通貨)を研究しており、うち33%は既に開発を進めていると述べた。

 「FRB(連邦準備制度理事会)はCBDCを試験し続けているが、CBDCに専念してはおらず、行政府と議会の支持無しに発行することはない」とアナリストらは記した。

 CBDCは、中央集権化された台帳を使ってその国の中央銀行が直接発行するデジタル通貨で、既存の法定通貨のトークン版として運用されるものだ。

 一般の暗号資産と同様、CBDCに対する米国人の政治的支持は党派で分かれている。しかしその方向性は逆だ。民主党員は米ドルの世界的覇権を強める可能性があるとして擁護する一方で、上下両院の共和党員は依然として敵対的で、CBDCを「監視国家」の道具とみなしている。

 CBDCに対するFRBのコメントは、これまでのところ極めて中立的だ。監督担当副議長であるマイケル・バー氏は10月、国家が裏付けるデジタル・ドルに最適なインフラを構築する方法についてFRBは専門家と協議しているが、発行するかどうかに関する判断はまだ行われていない、と述べた。

●CBDCの長所と短所

 バンク・オブ・アメリカは、CBDCの利点とリスクはその設計と発行に依存すると述べた。より効率的な国際・国内決済、金融包摂、より優れた金融政策の実施などが潜在的な利点だ。

 「CBDCは銀行預金との競合、取付け騒ぎの増加、通貨主権の喪失、世界的な国家間の緊張をもたらす可能性もある」と同行は警告した。

 同行は依然として、CBDCには「世界の金融システムを革新する」可能性があると考えており、「CBDC導入のあらゆる段階で民間部門と受益者の出現を活用」することで中央銀行が暗号資産のイノベーションを推進することを期待している。

 西側諸国の国民と投資家の間では、CBDCに対する根強い懐疑論があることが複数の調査で示されている。例えば、ウェルスロケットが6月に行った調査では、回答したカナダ人1500名のうち39%が、CBDCによる財政のコントロール喪失を懸念していることが明らかになった。

 CFA協会が7月に公開した別の調査では、米国の投資専門家のうちCBDCを支持している割合は、中国の70%に対し、わずか31%であることが明らかになった。批判者の50%がプライバシーが最大の懸念だとし、40%は単純にこの技術にはユースケースが欠如しているとの考えだった。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/bank-of-america-cbdc-adoption-grows-globally-but-digital-dollar-not-imminent.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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