ステーブルコイン発行企業パクソス、シンガポール規制当局から原則承認を受ける

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 ブロックチェーンインフラ企業のパクソスは、MAS(シンガポール金融管理局)から新会社の暫定ライセンスを取得した。

 この原則承認により、新会社パクソス・デジタル・シンガポールは、シンガポール市民にデジタル決済トークンサービスを提供することになる。

 さらに、パクソスは米ドルを裏付けとするステーブルコインを発行する計画を発表。同社は16日の声明で、新たな米ドルステーブルコインはMASが提案したステーブルコイン規制の枠組みに準拠するもだと説明している。

 23年8月に提案された新たな規制枠組みは、シンガポールで規制されているステーブルコインの高い価格安定性を確保しようとするものである。MASは、この枠組みのすべての要件を満たす企業だけが「MAS規制対象ステーブルコイン」の承認を申請することができるとした。

 「パクソスは規制された枠組みの中で、常にグローバル市場での成長を追求し、デジタル資産規則へ情報を提供するために規制当局と協力している」とMASは述べた。

 パクソスは、金融規制機関の監督対象となるトークンのみを発行すると表明している。さらに、シンガポールのような地域において、厳格なAML(マネーロンダリング防止策)とKYC(顧客確認)基準も遵守している。

 同社はまた、完全な承認が得られ次第、シンガポールで新たなステーブルコインを発行するために法人顧客と提携すると述べた。

●パクソス、シンガポールで新たなステーブルコインを提案

 パクソスの戦略責任者であるウォルター・ヘザート氏は、米国外の顧客にとって、米ドルを安全かつ安心に入手することは難しいと指摘。

 「このMASからの原則承認により、パクソスは規制されたプラットフォームを世界中のより多くのユーザーに提供することができる」

 同社で発行されるすべてのトークンは米ドルと1対1の比率で連動しており、これにより安定性が確保されている。ヘザート氏は、ステーブルコインの需要が高いことから、この新たな事業が米国外の顧客を引き付けることができると期待している。

 今回の発表の1年前、パクソスはMASからトークンとカストディを提供するためのライセンスを取得していた。

 パクソスはすでにパックスドル(USDP)ステーブルコインを発行しており、その流通量は4億6156万ドルに上る。USDPの準備金は100%現金と米国債で保有されており、顧客の資金は常に1対1で償還可能となっている。

 また、8月にローンチしたペイパルのステーブルコインであるペイパルUSD(PYUSD)もパクソスが発行している。同社かつて、現在は取扱が終了しているバイナンスUSD(BUSD)ステーブルコインを鋳造していた。バイナンスは、NYDFS(ニューヨーク州金融サービス局)との規制上の衝突を受け、バイナンスUSDの運用を停止した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/stablecoin-issuer-paxos-receives-preliminary-nod-from-singapore-regulator.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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