中国人民銀、暗号資産・DeFi市場のグローバル規制の必要性を強調

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 中国人民銀行(中央銀行)は、最新の金融安定報告書で、暗号資産(仮想通貨)市場およびDeFi(分散型金融)市場を規制するよう世界の金融銀行に呼びかけた。

 人民銀は22日に報告書を発表し、これら市場における投資家およびすべての利害関係者を保護することを目的とした、新しい規則や政策を国内外の金融規制機関が導入するための規制枠組みの必要性を強調した。

 報告書は、安定性に向けた世界規模のアプローチを模索する中で、暗号資産は世界の金融市場全体の1%を占めており、伝統的金融との関係性は限定的であると指摘している。

●金融市場の混在は不可避

 しかし、より多くの商品が金融の主流となるにつれ、伝統的金融は今後数年で暗号資産にさらされる機会が増えることになると指摘するものもいる。その顕著な例として、ブロックチェーンを技術ソリューションとして採用する大手金融機関は、現実資産のトークン化に取り組んでいる。

 また、ウェルス・マネジャーやデジタル資産ファンドを通じて機関投資家が暗号資産市場に進出していることも、将来両者が強力な協力関係を築くという兆候を示している。

 最近、伝統的金融市場の機関投資家にとって大きな原動力となっているのは、米SEC(証券取引委員会)による現物ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)承認への期待である。これは、伝統的金融資金がDeFi市場へと流入する窓口となる可能性がある。

 ブロックチェーンジャーナリストのコリン・ウー氏はX(旧ツイッター)で、今回の報告書でデジタル資産市場について初めて独立した項目が設けられたことに注目している。

 「中国人民銀行の最新の金融安定報告書では、大きなスペースを割いて初めて独立した『暗号資産』項目が設けられた」と同氏は述べた。

●市場に対する世界的な規制圧力

 23年は金融規制当局が中心となり、暗号資産分野の発展に注目した政策枠組みの発表が相次いだ。この報告書では、ユーザーを保護するためにWeb3企業がルールを整備し、コンプライアンスを準拠しなければならない主な理由として、悪名高いテラ(LUNA)およびFTX事件を取り上げている。

 人民銀は、規制の裁定を防止するため、各国の中央銀行が協力し、すべての国・地域で適用される法律を制定するよう助言している。報告書では特に、「同じビジネス、同じリスク、同じ監督」という原則を強調している。

 EU(欧州連合)はMiCA(暗号資産市場規制法案)を可決することで、登録から執行に至るまで、市場に統一性をもたらし、規制の指標を示した。

 米国などの他の地域も、地方当局による訴訟や裁判所による規制の拡散を防ぐため、こうした動きに追随することが強く求められている。米国では現在、こうした不確実性が投資家の信頼を損ねている。

 数年前の全面的禁止にもかかわらず、最近の規制当局への働きかけや香港での活動などから、ここ最近中国の暗号資産に対する見解は変化していると多くのアナリストが指摘している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/peoples-bank-of-china-stresses-on-global-regulation-for-crypto-and-defi-markets.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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