香港のステーブルコイン規制案に議員が警告

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 香港の金融当局であるFSTB(財経事務・庫務局)とHKMA(香港金融管理局)は、新たなステーブルコイン規制の導入計画を明らかにした。しかし、これが暗号資産(仮想通貨)市場にとって良い動きだと誰もが考えているわけではない。

 新たな規制案では、ステーブル発行企業はライセンスを取得し、ガバナンス、リスク管理、AML/CFT(マネーロンダリングおよびテロ資金供与対策)基準に準拠することが義務付けられる。認可済企業が発行したコインだけを個人投資家に提供することができるということだ。

 また、認可済企業は香港を拠点とする指導者チームを設置し、質の高い分離準備資金を確保しなければならない。一般市民は24年2月29日までこの案に対するフィードバックを提出することができる。

●世界のステーブルコインと混乱への懸念

 香港のジョニー・ン議員はX(旧ツイッター)でこの政策に対する懸念を表明した。同氏は、テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などの主要なグローバルステーブルコインがすでにライセンスなしで流通していることを指摘した。

 同氏は、新規制の下、これらの国際的コインがどのように認可済香港取引所で取引されるのかについて疑問を呈した。これに対処できなければ、取引量は減少し、取引が混乱し、予期せぬ結果を招くことになるとした。

 同氏はまた、取引手数料や新規制の下でのステーブルコイン申請に関する曖昧さも指摘している。

●香港におけるこれまでの暗号資産に関する取り組み

 香港は暗号資産・Web3ハブとなるべく、暗号資産に友好的な政策を積極的に追及してきた。

 26日、香港の規制当局は現物暗号資産ETF(上場投資信託)を承認する用意があると示唆した。これが承認された場合、暗号資産を追跡するETFを香港証券取引所に上場できるようになる。

 香港は、最初のVASP(暗号資産サービスプロバイダー)ライセンスを8月に発行した。SFC(証券先物委員会)は、OSLとハッシュキーにライセンスを付与した。

 妥協点を見つけるには、妥協と追加的な政策調整が必要かもしれない。香港は暗号資産を歓迎する積極的な姿勢を示しており、これは重要な先例となる可能性がある。

 残念ながら、ン議員の指摘は複雑なグローバル暗号資産市場にルールを作ることの難しさを語っており、香港政府が暗号資産業界を歓迎したいという思惑に反する動きを見せる可能性を示唆している。世界各国がステーブルコインの枠組みに注目する中、責任あるイノベーションを可能にしながらリスクを管理するということにおいて、香港の経験は重要な教訓となるかもしれない。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/lawmaker-raises-red-flags-over-hong-kongs-stablecoin-regulation-proposal.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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