ゲンスラー委員長の戦略を解明:現物ビットコインETFを承認した理由(再掲)

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 米SEC(証券取引委員会)が10日、現物ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)の上場を承認した際、その決定票はゲーリー・ゲンスラー委員長に託された。

 長年このような商品を批判し、拒否し続けてきた同氏が意見を変えた理由は何だろうか?同氏の最近のコメントからすると、現在の法体制の下でその姿勢を変えざるを得なかったようだ。

 ゲンスラー氏は承認後の声明で、8月にSECがグレイスケールに裁判で敗訴したことに触れながら、「状況が変わった」と述べた。SECは当時、グレイスケールのETF申請を却下した理由を「適切に説明できなかった」という。

 「このような状況と承認命令の中で詳しく議論された状況を踏まえ、現物ビットコインETP(上場取引型金融商品)の上場と取引を承認することが最も持続可能な道だと感じている」と同氏は述べた。

 ゲンスラー氏は同声明の冒頭で、SECは「法律の範囲内で行動し、裁判所が法律をどのように解釈するかに基づいて行動する」と強調している。

 また、SECは暗号資産(仮想通貨)業界に対する悲観的な見方を改めていないとも明言している。今回の承認は「委員会が暗号資産証券の上場基準を承認する意思があることを示すものではない」と同氏は述べている。

 「以前から言っている通り、特定の暗号資産に偏見を持つことなく、大半の暗号資産は投資契約であり、連邦証券法の対象となる」と同氏は説明した。

●ゲンスラー委員長、ビットコインを批判

 しかし、ゲンスラー氏が明確に「非証券コモディティ」とみなした唯一の暗号資産であるビットコインでさえ、同氏の批判を逃れることはできなかった。「われわれはビットコインを承認も推奨もしていない」とし、ビットコインは投資家に「無数のリスク」をもたらすと主張した。

 ビットコインは、ブラックロックのCEO(最高経営責任者)や他の支持者らから、しばしば「デジタルゴールド」に例えられてきたが、ゲンスラー氏はビットコインが劣り得る点を指摘している。

 「われわれは中立であるが、金属ETPの原資産は消費者および産業での用途を持つのに対し、ビットコインは主に投機的で価格変動の大きい資産であり、ランサムウェア、マネーロンダリング、制裁回避、テロ資金調達などの違法行為にも使われていることに注意してほしい」

 ゲンスラー氏の批判は、エリザベス・ウォーレン氏など、暗号資産について語る民主党議員の多くの意見と一致している。ウォーレン氏は、ブロックチェーンソフトウェアユーザーとその資金移動や制裁回避の能力に対する厳格な規制を求めている。

 とはいえ、暗号資産を支持する政治家らは、政党を越えてゲンスラー氏のETF承認に支持を表明した。下院金融委員会のパトリック・マクヘンリー下院議員とフレンチ・ヒル下院議員はビットコインETFについて、業界にとっての「歴史的な節目」と呼んだ。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/unraveling-genslers-strategy-the-reason-behind-allowing-spot-bitcoin-etfs.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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