グレイスケールのビットコインETF、250億ドルの清算迫る

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 250億ドル相当のGBTC(グレイスケール・ビットコイン・トラスト)の清算が迫っているため、ビットコイン(BTC)投資家は、価格の停滞、あるいは下落の可能性に備えた方がいいかもしれない。

 BTCデータ・コーポレーションの創業パートナーであるクリス・テリー氏は最近、GBTCの大規模清算がビットコイン価格に与える影響について懸念を表明した。

 同氏はX(旧ツイッター)での投稿で、「GBTCが清算されるまで、ビットコイン価格は横ばい、あるいは下落を続けるようだ。今後数週間で250億ドルが清算される」と述べた。

 「ETF(上場投資信託)の手数料を1.5%に据え置いたグレイスケールの判断は、暗号資産史上最大の戦略的ミスとして語り継がれるだろう。貪欲なバカどもだ」と同氏は述べた。

●マイケル・ノヴォグラッツ氏、投資家は他のファンドに目を向けると予想

 しかし、ギャラクシー・デジタル創設者のマイケル・ノヴォグラッツ氏は、テリー氏の分析に賛同していない。

 ノヴォグラッツ氏は、GBTCを売却する投資家も確かにいるだろうが、多くは保有資産を他のETFに移行させるだろうとの考えを示した。

 特にインベスコのBTCOが同氏のお気に入りだという。BTCOの年間手数料は0.39%(1万ドルの投資で39ドルの手数料)となっている。

 ノヴォグラッツ氏はまた、GBTCの清算が及ぼす影響について、特にベビーブーマー世代など、伝統的な投資家が暗号資産史上に参入しやすくなると主張した。

 さらに同氏は、ビットコインへのエクスポージャーによりレバレッジが高まる可能性を指摘しており、4倍から5倍のレバレッジを得ることも可能になると述べた。

 同氏はビットコインの今後について楽観的な見方を崩しておらず、現在の市場の消化不良はいずれ収まるだろうとの見通しを示した。

 同氏は、GBTC清算が差し迫っているにもかかわらず、今後数カ月間でビットコインが上昇すると予想している。

●低手数料のビットコインETFへより多くの資金流入

 ナンセンの主任研究アナリストであるオレリー・バーゼア氏はクリプトニュースの取材で、短期的には手数料の低いETFにより多くの資金が流入するとの予想を述べた。

 「ETFと先物は異なる商品であり、先物は取引とヘッジに好まれ続け、ETFは伝統的金融分野と同じように代表的なリテール商品となる」と同氏は述べた。

 バーゼア氏によると、ビットコイン現物ETF提供企業間の競争環境は、評判、規模、既存のフットプリント、管理手数料などの要因によって形作られるという。

 「評判、規模、既存のフットプリント、管理手数料によって、おそらく一部の主要企業が市場を支配することになるだろう」と同氏は述べた。

 JPモルガンのアナリストらも、これらの新たに立ち上げられたETFは手数料と流動性によって左右されると考えている。

 GBTCの手数料は1.5%と高いことから、同ファンドからはかなりの流出が予想されるという。

 さらに、この1年間に流通市場で割引されたGBTC株を購入した投機的投資家は、転換時にNAV(純資産額)に対する割引がなくなることを見越し、GBTCの清算をさらに加速させる可能性が高い。

 これによりGBTCから約30億ドルが流出し、新たに立ち上げられたETFに資金が流入する可能性がある。

 アナリストらは、GBTCがブラックロックなどの発行企業が設定する0.25%水準まで手数料を引き下げることができなければ、同ファンドからは50億から100億ドルが流出すると予想している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/analyst-warns-btc-price-will-remain-flat-as-25-billion-gbtc-liquidation-looms-galaxy-digital-founder-disagrees.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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