DeFiのTVLが600億ドルに到達、22年8月以来最高水準(再掲)

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 DeFi(分散型金融)分野の人気が高まっており、DeFiに特化したブロックチェーンに預けられたTVL(預かり資産)は600億ドルに達した。

 データプロバイダーのDeFi Llamaによると、これは22年8月以来で最高水準である。

 TVLの増加は、米国での現物ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)立ち上げによるビットコイン価格の上昇に起因していると考えられる。

 DeFi Llamaのデータによると、TVLは21年1月の173億ドルから同年12月には1780億ドル近くに急増。その後22年12月には400億ドル以下に減少していた。

●DeFiプロジェクトの日間取引量が増加

 DeFiプロトコルにおける日間取引量も増加しており、1月上旬に23年3月以来最高となる73億ドルに達した。

 コインゲッコーによると、DeFi関連の暗号資産(仮想通貨)トークンの時価総額は12年初め以来720億ドルから770億ドルに増加した。

 米国での利下げ期待が、DeFiプロトコルの魅力にさらに拍車をかけている。

 投資家はしばしば、暗号資産トークンをDeFiプロトコルに預けることで、米国財務省が提供する金利よりも高い利回りを得ることができる。

 デルフィ・デジタルのアナリストであるマイケル・リンコー氏はロイターの取材で、「ここ1年ほどで初めて、DeFiで得られる利回りは米国債金利よりも高くなっている」と語った。

 このため、より良いリターンを求める投資家の資金がDeFiへ流入している。

●暗号資産の価格高騰に伴うTVLの増加

 DeFiのTVLが増加するのと同時に、主に米現物ビットコインETFの立ち上げを受け、1月上旬にビットコインおよびイーサリアム(ETH)が高騰していた。

 これらの暗号資産が上昇するにつれて流動性が高まり、投資家はDeFiトークンなどよりリスクの高い商品を求めるようになった。

 しかし、ビットコインとイーサリアムはその後上昇分のほとんどを失い、上昇率はそれぞれ0.2%と0.5%にとどまった。これにより、DeFiトークンの多くが下落した。

 こうした価格変動にもかかわらず、一部の投資家は現在のDeFi活動の増加が今後も続く可能性があると考えている。

 最も人気の高いDeFiチェーンのひとつであるソラナ(SOL)は、過去6カ月で価格が4倍に上昇し、ビットコインとイーサリアムの勢いを上回っている。

 このことは、主要暗号資産が乱高下したとしても、DeFiへの関心が持続する可能性があることを示している。

 その一方で、金融市場が利下げ期待を後退させる中、DeFiの将来に対する懸念もある。

 例えば、資産運用会社Arcaの研究責任者であるケイティー・タラティは、利下げがDeFi活動に与える影響を観測するには時間がかかるかもしれないと指摘している。

 DeFiは、安全な分散型台帳に基づく新興金融技術である。

 DeFiは分散型環境で投資、借入、取引プロセスを再現することを目的としている。この環境下では、銀行やブローカーなどの仲介者は必要なく、P2P(ピアツーピア)取引はブロックチェーン上のスマートコントラクトを通じて実行される。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/defi-tvl-reaches-60-billion-highest-level-since-august-2022.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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