中国のBTCマイナー、エネルギー・コストの安いエチオピアへ移動

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 エチオピアは、ビットコイン(BTC)マイナーにとって有利な移転先になっている。同国の安価なエネルギー・コストと友好的な政策が、この動きを後押ししている。

 ブルームバーグによると、中国やその他の国々のビットコイン・マイナーは、東アフリカの同国に事業所を設置し、電力会社とエネルギー取引を行っている。

 23年には、大エチオピア・ルネサンスダムに接続した変電所に高性能コンピューターを含むマイニング機器が設置され、他の国・地域から一線を画す兆しがある。

 ビットコイン・マイナーはその後数カ月間で、エチオピアでの事業を拡大し、テキサス州の競合他社に対抗しようとしている。テキサス州は、21年に中国でマイニングが禁止された後、新たな中心地となっている。

●ビットコイン・マイニングの幹部らはエチオピアの可能性を注視

 エチオピアは21年に暗号資産マイナーに許可を出しており、取引は依然として禁止されているが、マイニング企業は安いエネルギー・コストと長年にわたる中国企業との提携を活かすことができる。

 マイニング・サービス会社のルクソール・テクノロジーでCOO(最高執行責任者)を務めるイーサン・ベラ氏は、エチオピアは現時点でマイニングにおいて世界最高の移転先だと見込んでいる。

 チャイナ・デジタル・マイニング・アソシエーションの創設者であるノウ・シュ氏は、安価なエネルギー・コストと友好的な政策のおかげで、エチオピアは中国人マイナーの移転先になるだろうと説明した。

 ブルームバーグの報道によると、エチオピアの国有電力会社は21社のビットコイン・マイニング会社と契約を交わしており、うち19社が中国企業だという。

 環境面では、エチオピアでは近年多数のダムや再生可能エネルギー源が開発されており、同国の電力供給量は数年以内にテキサス州に匹敵する可能性がある。

 エチオピアのGERD電力プロジェクトによって、発電量は5.3ギガワットに引き上げられ、完成後の同国の発電能力は2倍となる。

 これら全てと低いコストの組み合わせが、マクロ経済的要因の中で暗号資産マイナーが生き残るために必要としているものだ。ヴィタリー・ブルシェンコ氏は、同国の優位性はエネルギーだけでなく環境条件にもあると付け加えた。

 「マイナーにとって理想的な気温は5-15℃だ。これはちょうど、エチオピアの気温の平均的な範囲内にある」

●ビットコイン・マイナーにとって全てが確実なわけではない

 エチオピアへのビットコイン・マイナーの移転は急増してるが、活動の性質上、今後の政策は依然として不透明だ。

 中国はかつて暗号資産マイニングの中心地だったが、政府が環境的要因を理由にマイナーを取り締まり、大規模な移転と資産価格の低迷が生じた。

 エチオピアは新たな収入源や現地市場への外貨の流入を求めているが、国民の50%近くがエネルギー問題に苦しんでいる。

 こうした事実によって、完全に友好的な姿勢からマイニング活動の制限に切り替えたカザフスタンや他の国々のように、政府の姿勢は今後変化する可能性がある。

 QRBラボのニモ・センレットCEO(最高経営責任者)は、一部のマイナーの今後の懸念を強調しつつ、ここに至るまでの過程を説明した。

 「エチオピアは厳しい規制を行っており、こうした新たな分野の導入は大きな挑戦だった。私たちは過去2年間、政府から必要な許可を得るために活動してきた」

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/cheap-energy-cost-fuels-chinese-bitcoin-miners-migration-to-ethiopia.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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