ECB、デジタルユーロに関する銀行業界の懸念に対処

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 ECB(欧州中央銀行)は、CBDC(中央銀行デジタル通貨)の役割に関する金融機関の懸念に応じた。ECBは報告書で、「デジタルユーロは決済手段として設計され、投資目的はでない」と主張している。

 ピエロ・チポローネ氏、ウルリッヒ・ビンドザイル氏、ユルゲン・シャーフ氏のECB幹部3人は、仲介者の排除に関する懸念を払拭した。同氏らは、デジタルユーロは銀行に取って代わるものではないと強調している。

 ECBのジョルジーナ氏のツイートによると、デジタルユーロは欧州の決済サービスプロバイダーや銀行を成長させる可能性があるという。同氏は、決済サービスプロバイダーがデジタルユーロを配布し、主な窓口となると述べた。

 さらに、デジタルユーロを配布するプロバイダーを対象とした公正な報酬モデルも導入されると主張。また、金融安定性を維持するため、デジタルユーロの保有限度額も設けられるとした。

●ステーブルコインや電子マネー機関はCBDCより高いリスクをもたらす

 さらにECBは、ステーブルコインや電子マネーといった変革的な決済手段は、デジタルユーロ以上に銀行の資金調達に大きなリスクをもたらす可能性があると指摘した。

 「銀行がデジタルユーロの設計上の特徴を見落としている研究に頼るのは、見当違いである」とECBは述べた。

 そうすることで、銀行は対処すべき他の課題を無視しているとECBは指摘。「新しく強力な」民間の競合他社を抑制するのではなく、銀行は顧客にインセンティブを与える魅力的な商品やサービスを提供すべきである。そうすれば、顧客は銀行にお金を預けてくれると助言した。

 さらに、報告書ではECBがデジタルユーロの開発を進めていることも明かされた。「ECBは引き続き、設計の選択肢を絞り込み、潜在的なリスクに対処し、メリットを最適化していく」と述べた。

 さらにECBは、保有限度額、アクセス制限、無報酬、逆ウォーターフォールを提案することで、資金調達に関する銀行の懸念を「真剣に」受け止めている。

 「デジタルユーロが欧州の標準を調和させることで、決済サービスプロバイダーは国境を越えてサービスを拡大し、ユーロ圏全体に対応できるようになる」という。

 ジョルジーナ氏は、デジタルユーロはEU(欧州連合)の決済システムをより競争力の高い革新的なものにすると述べた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/ecb-addresses-banking-industrys-concerns-on-digital-euro.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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