中国当局、偽デジタル人民元アプリ詐欺について警告

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 MITT(中華人民共和国工業・情報化部)が、偽のデジタル人民元アプリに関する新たな詐欺スキームについて、警告を出した。

 MITTのソーシャルメディアへの投稿によると、これらの偽アプリは公式のデジタル人民元プラットフォームのようなデザインで、様々な「プロモーション」を提供することで、ユーザーを騙してアプリをダウンロードさせ、利用させている。

 「デジタル人民元テスト版」という名称の偽アプリは、公式アプリによく似たロゴで、ユーザー・インターフェースもほとんど変わらない。しかし、パッケージ名、バージョン、MD5を確認することで、偽物と本物を見分けることができる。

 例えば、公式アプリのパッケージ名はcn.gov.pbc.dcepだが、この「テスト版」には政府の要素が無く、com.ecny.ecny2と表示される。

●偽アプリのスキームを説明

 オリジナルと同様のロゴ、UI、スローガンを備えたこの偽アプリは、ねずみ講に似ており、ソフトウェアを共有したユーザーに「配当」を提供するとしばしば主張している。詐欺師は、デジタル人民元のプロモーションを悪用し、「国民福祉金」の分配を装っている。

 騙されたユーザーが偽アプリをダウンロードした後は、「資格確認」のために詳細な個人情報の入力が求められ、法令を遵守していると錯覚させられる。

 このアプリは、過去に同様のプログラムに参加してデジタル人民元を受け取ったことがあるかどうかも尋ね、罠にかけるためにあえて待機期間を延ばすこともある。

 この偽アプリは最終的に、そのユーザー用のカスタマー・サービス・ページを作成するが、ウォレットに預金が無かったり、詐欺師が送った「資金」が出金できない場合がある。

 その「技術的問題」を解消するため、ユーザーは一般的には使われていないメッセージング・アプリをダウンロードしなければならず、泥沼に陥ることになる。「カスタマー・サービス」は最終的に、「福祉金」を分配する代わりに金銭を要求する。

●デジタル人民元関連の犯罪が増加

 認証を受けたプラットフォームからアプリをダウンロードすれば、こうした詐欺を避けることができるが、中国のCBDC(中央銀行デジタル通貨)の人気が高まる中、犯罪活動は未だ増加している。

 上海市楊浦区人民法院は1月、デジタル人民元及び暗号資産を使ったマネーロンダリング事件に第一審判決を下した。一方で、中国は実社会でのより多くのデジタル人民元アプリの展開を検討している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/chinese-authority-warns-of-fake-digital-yuan-app-scam.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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