非米国市場でUSDCが成長、時価総額280億ドルに

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 サークルのUSDコイン(USDC)の時価総額が、機関による投資が広がる中23年第4四半期から徐々に増加し、280億ドルを超えた。

 コインベースの新たなレポートによって、市場全体の上昇と非米国市場の成長を受けたUSDコイン市場の復活が示された。

 このレポートによると、ステーブルコインのUSDコインは23年12月1日から14%超、35億ドル成長した。この急成長によって、同資産の時価総額は280億ドルを超えた。

 記事執筆時点で、USDコインの時価総額は285億ドルで、取引量は過去24時間で144%増加し86億ドルとなっている。

 USDコインを巡る動きは、23年の最初の3四半期の下落を経て同年第4四半期に落ち着いた後、若干変化している。

 これらの出来事は、23年3月にSVB(シリコンバレー銀行)への33億ドルのエクスポージャーが発覚した後に、同通貨がドルとの連動を失ったことに関係している。

 USDコインはSVBに約8%の準備金を有しており、ドルとの連動を取戻す前に1USDC=87セントまで下落した。市場への新たな資金流入によって、同資産の活動の増加が保たれた。

 このレポートによると、一部の取引所でデリバティブ活動が増加する中、同通貨は米国外で存在感を急速に高めている。

 「USDコインは非米国市場で存在感を増しており、変化が始まっている。現物及びデリバティブ活動におけるUSDコインのシェアは、まだ世界のCEX(中央集権型取引所)の総取引量の4%に留まっているが、23年初頭から5倍近くに増加している」

●サークルの提携と取引インセンティブ

 コインベース・インターナショナル・エクスチェンジとマーケット・メーカー向けインセンティブ・プログラムの開始によって、国際市場におけるUSDコインの採用は増加した。コインベース・マーケット・メーカー・プログラムは、現物及び無期限商品の幅広い取引ペアに流動性と厚みを提供している。

 さらに、取引量最大の中央集権型暗号資産(仮想通貨)取引所であるバイナンスにUSDコインが再上場したことで、同通貨の成長が勢いを増した。

 23年12月には、コインベースがUSDコインの金利を引き上げ、CEXにおける同通貨の市場シェアは10%増加した。これにより、暗号資産利用者は同通貨をより長期間保有するようになった。

 USDコインを発行するサークルも、日本やシンガポールの金融機関と複数の提携を結んでいる。

●USDコインがテザーを上回る

 ここ数カ月間のUSDコインの成長は、時価総額最大のステーブルコインであるテザー(USDC)を上回っている。23年12月1日以降、USDコインは14%、テザーは8.7%成長している。

 しかし、テザーは市場占有率71%、市場シェア970億ドルで、ステーブルコインのトップの座を保っている。

 「(ほぼ米国外でのみ取引されている)無期限先物などの暗号資産デリバティブの決済におけるテザーの役割は、テザーの範囲の広さを部分的に説明している。実際、世界のCEXにおける(現物と先物両方の)総取引量の約83%で現在、基軸通貨としてテザーが使われている」

 現物ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)の承認を受けてデジタル資産への投資が徐々に増加する中、ステーブルコインの時価総額は22年以来初めて1400億ドルに達している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/usdc-grows-in-non-us-markets-as-market-cap-taps-28-billion.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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