CBDCの調査が世界的に急増、米国は遅れを取る

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 14日に公開された大西洋評議会の研究によって、世界のGDP(国内総生産)の98%にあたる134カ国が現在、CBDC(中央銀行デジタル通貨)を調査していることが明らかになった。この数字は、20年5月のわずか35カ国から急増している。

 現在68カ国が調査の先のステージに入っており、開発、試験、あるいは立ち上げ段階にある。

 注目すべきことに、アルゼンチンを除くほとんどのG20(20カ国・地域)諸国が先のステージに入っており、11カ国がすでに試験段階だ。これらの国々には、ブラジル、日本、インド、オーストラリア、韓国、南アフリカ、ロシア、トルコなどが含まれる。

 これとは対照的に、米国ではリテール型CBDCの進展が止まっている。FRB(連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長は最近、上院銀行委員会に対し、FRBは現在のところ、直ちにそうした通貨を導入するつもりはないと語った。

 「CBDCについて人々が心配する必要はない。そうしたことがすぐに起こることはない」と同氏は述べた。

 議員らは米国民のプライバシーを懸念しており、それがデジタル・ドル導入の障害になっている。

●ECB、25年のデジタル・ユーロ立ち上げ目指す

 中国のデジタル人民元は、世界最大のCBDC試験として突出している。デジタル人民元は広く普及しており、25都市で2億6000万ウォレットに達している。

 一方、ECB(欧州中央銀行)はCBDC開発に積極的に取り組んでおり、25年の立ち上げを目指している。これには、デジタル・ユーロの機能性とセキュリティを確保するための実地試験が含まれる。

 現時点でCBDC立ち上げに成功しているのは、バハマ、ジャマイカ、ナイジェリアの3カ国のみだ。8カ国で構成される東カリブ通貨同盟は、Dキャッシュ計画で技術的問題に直面した結果、その利用を停止した。現在は、新たな試験プログラムの開発段階にある。

●ドル代替手段を推進する中、BRICS諸国がCBDCの試験段階に

 現在のところ、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ(BRICS諸国)のうち、CBDCを完全に立ち上げた国は存在しない。これらの国々は試験段階にある。

 さらに、サウジアラビア、イラン、UAE(アラブ首長国連邦)などのBRICSの新規加盟国も、国境を越えたホールセール型CBDCを研究している。特にBRICSは23年以降、ドルに代わる決済システムの開発を積極的に推進している。

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、ホールセール型CBDCの開発は著しく増加している。現在、13件の国境を越えたホールセール型CBDCプロジェクトが進行している。特に、中国、タイ、UAE、香港を繋ぐmブリッジは、24年にさらに11カ国に拡大し、新たな段階に入ろうとしている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/cbdc-exploration-global-sure-us-playing-catch-up.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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