ETH創業者のブテリン氏、ETHステーキング分散化の新たな手法を提案

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 イーサリアム(ETH)のステーキングには中央集権化という問題が生じているが、同ネットワークの共同設立者であるヴィタリック・ブテリン氏は26日、この問題に対処する新たな手法を提案した。

 ブテリン氏はブログ投稿の中で、イーサリアムのバリデーターへのペナルティ制度を修正し、結託した不正行為のコストを高めることを提案した。

●中央集権型のイーサリアム・ステーキングにペナルティ

 この手法は、具体的には、別々にステーキングされたイーサリアムの大部分が同時に不正行為を行った場合、それがたとえ偶然であっても、不正行為を行ったバリデーターに大きなペナルティを課すものだ。

 「理屈としては、あなたが単一の大口の主体であれば、例え多数の名目上別々のアカウントにコインを分割していたとしても、管理する全ての『ID』であなたの犯した過ちが再現される可能性が高まる」と同氏は記した。

 イーサリアムは22年9月、プロトコル内でコインをロックすることで利用者が利益を得ることができる、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)コンセンサス・メカニズムに切り替えた。また、ブロックの検証や取引の処理の管理は、イーサリアムを最も多く保有する人々の手に委ねられた。

 これには、小口投資家のイーサリアムをプールして代わりにステーキングを行うサービスを提供する、リド、コインベース、バイナンスなどの中央集権型取引所やステーキング・プロバイダーも含まれる。フィデリティなどの資産運用会社も、利用者の資産の一部をステーキング目的に利用しようとしている。

 これにより、特に政府に強制された場合、大規模なイーサリアム・バリデーターが結託して同ネットワークに敵対的乗っ取りを仕掛けるという懸念がコミュニティで生じた。例えば、JPモルガンは23年10月、マージ・アップグレードとシャンハイ・アップグレードによってイーサリアムはより中央集権化したと指摘した。

●大規模なイーサリアム・バリデーターとブテリン氏との戦い

 大規模なイーサリアム・バリデーターは既に、小規模なステーカーと比べ、ステークが明示的に削減される「スラッシング」ペナルティの強化に直面している。ヴィタリック氏は、こうした例外的な出来事に対するペナルティは、中央集権化に影響を与えるには十分ではないと述べた。

 「この投稿は、ほぼ全てのバリデーターが少なくとも時々は犯す、認証の不備といったより「ありふれた」誤りに対し、同様の逆相関インセンティブを拡大することを提案している」と同氏は説明した。

 理論的には、こうしたシステムは中央集権型ステーキングに対する経済的な逆インセンティブを生み出し、業界におけるスケールメリットを減らす助けとなる。

 ブテリン氏は20日、目的に応じてイーサリアムのステーカーの新たな区分を作る、「レインボー・ステーキング」システムも提案した。

 このシステムは、イーサリアム投資家を中央集権型サービスでのステーキングに向かわせている「全員に全て」を求める独立したステーキングの経済的・技術的負担を削減するものだ。

 同氏は3月、中央集権型のステーキング・プロバイダーについて、「私たちは『社会的圧力+美徳』に大きく依存するようになっている。それが避けられないことであるならば、社会的圧力+美徳に過度に依存するよりも、インセンティブと社会的圧力+美徳のどちらに依存するのかをより明確にすべきだ」と述べた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/vitalik-buterin-ethereum-staking.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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