デジタル資産銀行カストディア、連邦地裁が口座開設の申請を却下

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 デジタル資産銀行のカストディア・バンクは、ワイオミング州連邦地方裁判所からFRB(連邦準備制度理事会)のマスター口座開設を却下された。

 裁判所は確認判決を求めるカストディアの申し立てを却下したが、同社は引き続きあらゆる選択肢を模索している。

 カストディアの広報担当者は、「私たちは裁判所の判決を精査しており、控訴を含むあらゆる選択肢を検討している」と述べ、引き続き訴訟を追求する意向を示した。

●裁判所、カストディアのマスター口座申請を却下

 スコット・スカブダール判事は、29日の裁判所文書で、カストディアのマスター口座開設要求を却下した。

 このような口座は、しばしば「銀行のための銀行口座」と呼ばれ、金融機関がFRBの決済システムにアクセスできるようにするものだ。

 カストディアは、マスター口座がなければ暗号資産(仮想通貨)のカストディサービスを提供する上で、他の銀行機関に比べて不利になると主張していた。

 マスター口座がなければ、カストディアは仲介銀行に依存し、その規定に従わざるを得なくなり、「二流市民」になってしまうと同社は述べた。

 また、スカブダール判事は、カストディアはFRBKC(カンザスシティ連邦準備銀行)の決定を覆す権利はないと判断した。

 「カストディアは、FRBKCにマスター口座を発行するよう命ずる職務執行令状を求める権利はなく、申し立てに対する略式判決はFRBKCに有利に認められなければならない」

 カストディア・バンクは、20年10月にFRBのマスター口座を申請していた。

 申請が承認されれば、同社は23年に1億9300万件以上の取引を処理したフェドワイヤー・ネットワークへのアクセスが認められることになっていた。

 しかし、23年1月、カストディアの加盟申請は、暗号資産分野への関与が法律で必要とされる要素と矛盾しているとして、FRBによって却下された。

 ワイオミング州のSPDI(特別目的預託機関)のひとつで、「ブロックチェーン銀行」とも呼ばれるカストディア・バンクは、暗号資産関連活動に関与によってFDIC(連邦預金保険公社)の銀行サービスを受けることが困難な企業を支援するために設立された。

●23年、暗号資産フレンドリーな銀行の崩壊

 23年、シルバーゲート銀行、シグネチャー銀行、シリコンバレー銀行、ファースト・リパブリック・バンクを含む4つの米国大手金融銀行が破たんした。

 これらの銀行のうち、シルバーゲートとシグネチャーの破たんは、22年の暗号資産暴落と一部関係があった。

 カンザス州エルクハートのコミュニティバンクであるハートランド・トライステート銀行も23年、シャン・ヘインズCEO(最高経営責任者)が暗号資産詐欺で数百万ドルを失った後、閉鎖に追い込まれた。

 この事件は、暗号資産投資から資金を取り戻そうと必死だったヘインズ氏が、ある裕福な顧客に奇妙な依頼を持ちかけられたことから展開した。

 同氏はその顧客に1200万ドルの融資を頼み、わずか10日後に100万ドルの利子を上乗せして返済することを約束した。

 ヘインズ氏は、誰かの助けを借りて暗号資産に投資していると言い、何らかの振込の問題があり、追加の資金が必要だと主張した。

 しかし、後にヘインズ氏が本当に1200万ドルを送金していたことが判明し、カンザス州銀行長官はハートランド・トライステートに対する調査を開始。その後債務超過を宣言した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/judge-rules-against-digital-asset-bank-custodias-bid-for-federal-reserve-master-account.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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