EU証券規制当局、暗号資産を投資商品に含め市場アクセスを拡大することを検討

eu_185079178_s.jpg

 EU(欧州連合)の証券監視機関であるESMA(欧州証券市場監督局)は、暗号資産(仮想通貨)を投資商品に含める可能性について、関係者からの意見を募集している。

 この動きは、現物ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)の範囲を超え、暗号資産市場を大きく拡大する可能性を秘めている。

 ESMAの意見募集は、12兆ユーロと評価される市場であるUCITS(譲渡可能証券の集団投資事業)の対象資産を拡大することを目的としている。

⚫︎UCITSの暗号資産承認、市場アクセスを拡大する可能性

 UCITSに暗号資産が承認されれば、12兆ユーロの市場において暗号資産へのアクセスが拡大することになる。

 米国では、ブラックロックやグレイスケールなどの大手企業が運用するファンドが年初来すでに約180億ドルを集めており、24年第1四半期のビットコイン上昇をけん引する重要な役割を果たしている。

 しかし、承認が保証されているわけではなく、ESMAは関係者の見解や見識を求め、8月7日まで意見を募集している。

 DLA Piperで暗号資産規制と訴訟を専門とするアンドレア・パンタレオ弁護士は、複数のファンドが流動性の一部を暗号資産に投資することに関心を示す可能性があるため、その影響は米国のETFよりも大きくなると予想している。

 暗号資業界がUCITSにアクセスする利点のひとつは、その多様な投資カテゴリーである。

 UCITS投資は、リスク特性に基づくさまざまな資産配分でいくつものファンドを包含している。

 UCITSの枠組みは、ETFが規制当局の認可を必要とする単一の資産に基づいている米国とは異なり、個々の暗号資産投資についての認可を必要としないため、市場の流動性にもメリットをもたらす可能性がある。

⚫︎暗号資産をUCITSに組み入れる前に解決すべき課題

 潜在的な利点がある一方、暗号資産をUCITSの枠組みに含める前に、解決すべき課題がある。

 大きな課題のひとつは、カストディである。預託銀行に対する規制を暗号資産カストディと調和させる必要があるためだ。

 EUはMiCA(暗号資産市場規制)を導入しており、これにはカストディアンに対する資産の保管と分離に関する規則が含まれている。

 UCITSに関与する暗号資産は、おそらくこれらの規則に準拠する必要がある。

 ESMAは特に、特定の暗号資産をUCITSの枠組みに含めることがMiCAによってどのような影響を受けるかについての意見を求めている。

 しかし、UCITSの適格資産規定の更新手続きには時間がかかり、交渉の対象となることが予想される。

 4月、EUは全てのCASP(暗号資産サービスプロバイダー)に適用されるマネーロンダリング防止規制を正式に可決した。

 この法律は、マネーロンダリングおよびテロ資金供与を検知・撲滅するため、FIU(金融情報機関)にさらなる権限を与えるものである。

 報じられている通り、西ヨーロッパは世界的な暗号資産導入の主要地域として浮上しており、1日あたり120万から150万人のトレーダーを惹きつけている。

 最新の調査では、2月にヨーロッパの暗号資産保有者の約50%がビットコインを所有していることが明らかになった。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/eu-securities-watchdog-considers-including-crypto-in-investment-products-expanding-market-access.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ