米SECの審査で、仮想通貨ウォレット企業の株式上場が延期

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●Exodus Movementの上場延期

暗号資産(仮想通貨)ウォレットのスタートアップ企業Exodus Movementは8日、米証券取引委員会(SEC)によりNYSE American(旧称アメリカン証券取引所)への株式上場が遅延していると述べた。

NYSE Americanより、SECがExodusの登録届出書の審査を完了するまで同社株式は上場されないと連絡を受けたとしている。同社のクラスA普通株式は、2024年5月9日から取引開始される予定だった。

ExodusのJPリチャードソンCEOは、次のように表明した。

"この土壇場での決定に私たちは驚き、困惑しているが、SECが法律に沿って当社を扱うという約束を守ってくれることを期待し続けている。
当社はこの上場手続きでは一貫して完全に透明性を保ち、様々な対応を行ってきた。今回の問題が迅速に解決することを期待している。それまでの間、当社はユーザーと株主に可能な限り最高のサービスと価値を提供し続る。"

当面の間、Exodusの普通株式は、OTC MarketsのOTCQX 取引所で「EXOD」というシンボルで取引され続ける。

リチャードソンCEOは10日、Xの個人アカウントでもこの件について説明した。上場に関して何年もNYSEと共に進めてきたもので、9日に上場することがNYSEから正式に事前承認されていたとしている。

また、Exodusはすでに公開企業として厳格な報告義務を伴う規制を受けており、NYSEなど全国的な取引所への上場によってもたらされる株式流動性の恩恵を受けずに公開会社として運営を続けることは、ビジネスの上で健全ではないと続けた。

上場に関して当面はSECに協力するが、「あらゆる選択肢」を検討しているとも述べている。

Exodusは2015年に設立された企業で、ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)をはじめとする仮想通貨の保管、管理、取引ができるソフトウェアウォレットを提供している。

●SECの執行について下院で議論

SECは、明確なガイドラインを示さずに法的措置により「執行による規制」を行っているとして、仮想通貨業界や一部議員から批判されてきた。

米国下院金融サービス委員会では7日、「SECの執行:抑止力と適正手続きのバランス」と題した公聴会が開催されている。共和党のワーグナー議員はSECの動きは「市場参加者に害を与えかねない」と批判した。

一方で、民主党議員の一部からは、SECの行動に賛同する発言もあがり、意見が対立していた。

最近では、SECから証券法違反で警告を受けた米大手投資アプリのロビンフッドが、SECと争う姿勢を示している。仮想通貨取引サービスについてのSECとの面会が一方的に打ち切られたとも語った。

(イメージ写真提供:123RF)

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CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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