フィリピン中銀、自国通貨連動のステーブルコインの試験を承認
フィリピン中央銀行が、現地通貨のペソに1対1で連動する国営ステーブルコインの対照試験を承認した。
最新の発表によると、フィリピン中銀が暗号資産(仮想通貨)ウォレット提供会社のCoins.phと提携し、自国の法定通貨に紐づけられたデジタル通貨の可能性を模索しようとする中で、今回の動きが生じた。
PHPCと呼ばれるフィリピン・ペソに裏付けられたステーブルコインに関するこの試験プロジェクトは、フィリピン中銀の規制サンドボックス・フレームワークの下で承認された。
フィリピンの暗号資産業界では有名なCoins.phは、このサンドボックス環境におけるPHPCの循環供給量と同等のペソ準備金の管理を担当する。
ステーブルコインを現地通貨に連動させるという主目的は、PHPCと物理的な法定通貨とのシームレスな移行を促進するためのものだ。
●実社会試験としての役割を持つサンドボックス試験
このサンドボックス試験段階は、PHPCや、現地の法定通貨エコシステムに対するその影響に関する実社会試験としての役割を持つ。
PHPCには、国内決済や国際決済、他の暗号資産との取引、市場ボラティリティに対するヘッジ、DeFi(分散型金融)アプリケーションへの担保と流動性の提供といった、様々な潜在的用途があると予想されている。
この試験の結果は、このステーブルコインが広く採用される準備が整っているかを判断する上で重要な役割を果たす。
しかし、PHPCの正式な公への展開がどうなるかは、中央銀行による最終評価と承認次第であることには留意すべきだ。
現地の規制によると、試験段階の期間はプロジェクトの複雑さに応じて3-12カ月間になる。
このステーブルコイン試験の正式な期限は明らかになっていないが、フィリピン中銀は徹底的な評価プロセスの確保に力を入れている。
こうした取り組みは、フィリピンでは初めてではない。
現地の商業銀行であるユニオンバンクは、19年7月にPHXという決済用ステーブルコインを導入した。
PHXの立ち上げは、金融包摂を促進しフィリピン中銀のデジタル金融包摂計画を支援するためのユニオンバンクの取り組みの一環だった。
PHXは、PHPCのように、ペソをシームレスに償還し、その後利用者のユニオンバンクの口座に返金する。
このステーブルコインは、個人、機関、そして様々な島々の間で安全な取引を可能にするユニオンバンクのi2iプラットフォームに統合された。
●フィリピン、暗号資産ガイドラインを公開へ
報じられた通り、フィリピンの証券規制当局は、暗号資産及び取引に関する規制枠組みを24年後半までに公開する予定だ。
この暗号資産ガイドラインは、投資家保護を優先し、フィリピン国内での取引の規制を目的にしている。
フィリピン証券取引委員会は4月、フィリピンのグーグルとアップルのアプリストアからバイナンスに関連したアプリの削除を求めた。
同委員会のエミリオ・アキノ委員長は、両社への書簡の中で、「フィリピン証券取引委員会は、(バイナンスを)特定し、これらのウェブサイトやアプリへの国民の持続的なアクセスが、フィリピン人投資家の資金の安全性を脅かすという結論に至った」と述べた。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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