米政府、バイナンス保管の詐欺関連のテザーに対する没収訴訟を提起

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 コロンビア特別区米連邦地方裁判所に提出された文書によると、米国政府はバイナンスが保管する20万ドル相当のテザー(USDT)に対する没収訴訟を提起した。この暗号資産(仮想通貨)は、110万ドル規模の有名な暗号資産詐欺である豚の食肉解体詐欺に関連したものだ。

 同裁判所は、この訴訟を「電信詐欺、電信詐欺共謀、資金洗浄、資金洗浄共謀行為」と表現している。

 この文書によると、FBI(米連邦捜査局)は、「豚の食肉解体」詐欺に関与した海外の犯罪者からテザーを押収した。これは、加害者が偽のプロフィールを作って詐欺的な投資に被害者を誘い込むオンライン投資詐欺の1種だ。

 報道によると、豚の食肉解体詐欺2件の被害者が、警察に通報した。声明によると、21年1月から22年12月の間に約110万ドルを失ったという。

 米国は、以下の目的で暗号資産のテザーを「合法的に没収」しようとしている。

 ・犯罪者が違法行為で得た利益を取り上げることによる、犯罪行為の処罰と抑止

 ・連邦及び外国の法執行機関との間の協力の促進と強化

 ・被害者補償に充てる資金の回収

●2件のロマンス詐欺

 ある被害者は、20年12月にフェイスブックの出会い系アプリでエヴァ・マーカスという名の最初の詐欺師と関係を持った。このアカウントには、マーカスを名乗る女性のプロフィール画像が使われていたことが、捜査で明らかになった。

 この詐欺師は、同じ名前でリンクトインのプロフィールも持っており、現在はトルコ在住でボストン出身のエンジニアリング・コンサルタントを名乗っていた。

 マーカス氏は21年1月、自分が働いているダイヤモンド鉱山で爆発があったと被害者に語り、米国に戻るための弁護士を雇う資金を送ってほしいと被害者を説得した。被害者は、40万ドル超を送ったとされている。

 2件目のロマンス詐欺では、この被害者はリサ・ウォーレンを名乗る別の詐欺師の罠に落ちた。この犯人は、暗号資産に投資し自分が管理するウォレットに資金を送るよう被害者を説得した。

 マーカス氏から受けた被害を回復しようとした被害者は、5万5000ドル分のビットコイン(BTC)をウォーレン氏に送った。ウォーレン氏はその後、自宅を売ってさらに暗号資産に投資するよう被害者を説得した。

 何度かのやり取りを経て、約60万ドル中1万5000ドルしか返金されず、被害者はこれが詐欺だと気づいた。

 FBIはその後、被害者の資金をたどってバイナンスのアカウントに行きつき、バイナンスは資金を凍結して当局に通報した。

 FTC(米連邦取引委員会)は10日、暗号資産関連の「豚の食肉解体」詐欺やロマンス詐欺の増加について、警告を発した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/us-govt-files-forfeiture-action-against-scam-linked-tether-held-in-binance.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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