ビットスタンプ、EUのMiCA施行を目にユーロテザーを上場廃止へ
ビットスタンプは26日、EU(欧州連合)のMiCA(暗号資産市場規制)導入に先立ち、テザーのユーロ連動型ステーブルコインであるユーロテザー(EURT)の上場を廃止すると発表した。
●ビットスタンプ、MiCAの導入迫るなか「ユーザー保護」を主張
ビットスタンプは、MiCAへの遵守に取り組む中で、EURTが6月末までに上場廃止になると発表した。
21年にローンチされたEURTは、時価総額最大のステーブルコインである米ドル連動型ステーブルコイン・テザー(USDT)の運営企業テザーが発行するステーブルコインである。
EURTの時価総額はUSDTよりもはるかに少ない。記事執筆時、EURTの時価総額は約3300万ドルで、22年2月のピーク時に記録した約2億3600万ドルから減少している。
EURTの時価総額減少に加え、規制圧力もビットスタンプが上場廃止を決定した要因であり、EURTの上場廃止はMiCA導入に備える取引所間で見られる傾向のひとつである。
ビットスタンプの英国担当マネージング・ディレクターであるジェームズ・サリバン氏は、EU全体で暗号資産(仮想通貨)規制を統一するというMiCAの使命を支持していると述べた。
「わたしたちは一貫して、ひとつの資産クラスとしての暗号資産の成熟を可能にしながら、顧客を保護する規制への適切な対応を支持してきた」と同氏は述べた。
同氏は続けて、ビットスタンプのコンプライアンとセキュリティに対するコミットメントにより、同社はこうした規制の変化に適応するための態勢を整えていると主張。同社は、上場廃止により影響を受ける顧客と直接やり取りしているという。
ビットスタンプによるステーブルコインの制限は、ユーロ建てではないものには影響しない。
「ユーロ建てでなく、ビットスタンプですでに取引可能だがMiCA規制の対象外であるEMT(電子マネートークン)は上場廃止にならない」と同氏は説明した。
ただし、これらのトークンはEU顧客向けの一部の商品に限定される。ビットスタンプはまた、MiCA要件を満たさない新たなEMTを上場することはなく、そのマーケティングにも関与しないと明言した。EURTの他に、ビットスタンプはUSDTとサークルのUSDコイン(USDC)の取引をサポートしている。
ビットスタンプとは異なり、アップホールドのようないくつかの取引所は、MiCA規制に従い、EURTと他の6つのステーブルコインの上場を廃止すると決定した。
●MiCAが欧州の暗号資産市場とステーブルコイン発行者に与える影響
24年6月30日に施行されるMiCAは、EU全域で暗号資産に関する統一的な規制枠組みを構築する。
MiCAは法定通貨連動型ステーブルコイン発行企業に対し、強力な保護措置を実施し、流動資産による完全な裏付けを確保するよう義務付けている。これらの基準を遵守することで、EUは消費者を保護し、ひとつの資産クラスとしての暗号資産の成熟を促進したいと考えている。
MiCAの導入はEUの暗号資産市場、特にステーブルコイン発行企業にとって重要な動きであり、EUはステーブルコイン発行者に対して厳格な基準を課すことで、市場の安定性を強化しようとしている。
MiCAに対するテザーの反応は慎重だ。同社はMiCAの複雑さを評価しているが、テザーのパオロ・アルドイーノCEO(最高経営責任者)は、MiCAの下で規制されることに消極的な姿勢を示しており、ヨーロッパにおける同社の戦略を再評価する可能性を示唆している。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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