ビットコインマイナー、BTC下落による収益減少で「降伏」状態に

173318782_s.jpg

 ビットコイン(BTC)マイナーは、ビットコイン相場が下落する中で収益が減少し、「キャピチュレーション(降伏)」と呼ばれる重要な局面に直面している。

 市場分析企業のクリプトクオントはX投稿で、マイナーのキャピチュレーションを測定する指標が22年後半のFTX崩壊後の市場底値で観察された水準に近づいていると指摘し、ビットコインの底値を示唆した。

 マイナーのキャピチュレーションは、マイナーが事業を維持し、収益を上げ、保有するビットコインをヘッジするために、事業を縮小したり、マイニングしたビットコインや保有資産の一部を売却したりする場合に発生する。

 クリプトクオントのアナリストは、過去1ヶ月間でビットコインが1BTC=6万8791ドルから5万9603ドルに下落すると同時に、複数のキャピチュレーションの兆候が確認できたと指摘している。

●ビットコインハッシュレートの低下

 キャピチュレーションを示す重要な兆候のひとつは、ビットコインハッシュレートの低下である。ハッシュレートとは、ビットコインネットワークを維持する合計計算能力を表す。

 ハッシュレートは4月27日に過去最高を記録して以降、7.7%低下し、4ヶ月ぶりの低水準となる576EH/sに達した。

 このハッシュレートの低下と22年12月のFTX崩壊後の状況が類似していることから、市場が底値に達した可能性が指摘された。

 7.7%の低下は、22年末のハッシュレートの低下と一致している。当時、ビットコインは1万5500ドルで底を打った後、その後の15ヶ月で300%以上急騰した。

 クリプトクアントは、半減期以降にマイナーが直面している課題についても言及している。

 マイナーの損益持続可能性指標によると、半減期後マイナーの収益が著しく減少している。

 ビットコインのブロック報酬と取引手数料収入が高かった半減期以降、マイナーの1日あたり収益は63%減少している。

 総日次収益は3月6日の7900万ドルから現在は2900万ドルまで減少している。

 また、取引手数料から発生する収益は現在、総日次収益のわずか3.2%を占め、4月8日以降で最も低い割合となっている。

 結果として、ビットコインマイナーはさらなる収益を得るために保有資産を使用せざるを得なくなっている。

 クリプトクアントは、マイナーからの日次流出量が5月21日以来の高水準に達していることから、マイナーが保有するビットコインを売却している可能性を指摘している。

●ビットコイン、売却により下落

 ビットコインのクジラ(大口保有者)や各国政府による売却に加え、マイナーによる売りが続いていることが要因となり、ビットコイン価格が下落している。

 5日、ビットコインは4ヶ月ぶりの安値となる5万3499ドルまで急落。

 この下落は、計算能力1単位あたりのマイナーの収益性を表す「ハッシュ価格」によって測定される、マイナーの収益性にも影響を及ぼしている。

 現在、1ハッシュあたりの平均マイニング収益は0.049EH/sで、5月1日に記録した史上最低値の0.045ドルをわずかに上回っている。
 
 報じられている通り、米国に上場している14のビットコインマイナーの時価総額は、6月15日に史上最高値となる228億ドルに達した。

 6月、米国大統領候補のドナルド・トランプ氏が国内マイニング事業を支援すると公約したことを受け、ビットコインマイニング株は大幅に上昇した。

 同氏は当時、残りのビットコインをすべて米国で生産したいと主張し、同国がエネルギー優位に立つ可能性を強調した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/bitcoin-miners-face-capitulation-as-profits-diminish-amid-btc-sell-off.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ