仏中銀が香港金融管理局と連携、CBDCとトークン化を推進へ(再掲)
フランス銀行(中央銀行、仏中銀)と香港金融管理局(HKMA)は、ホールセール型CBDC(中央銀行デジタル通貨)とトークン化の分野における二国間協力に焦点を当てたMoU(覚書)を締結した。
HKMAは公式声明の中で、両機関のCBDCインフラ間での相互運用性を模索し、クロスボーダー取引決済の効率性を強化する意向を示した。
仏中銀はすでにCBDC導入の基礎となるDL3Sインフラを構築している。
一方、HKMAは研究を目的としたサンドボックス「プロジェクト・アンサンブル」を活用するとした。
●プロジェクト・アンサンブル、資産のトークン化を研究
HKMAが3月に始動したプロジェクト・アンサンブルは、資産のトークン化を研究し、CBDCを開発することを目的としている。
この取り組みには、香港アーキテクチャ・コミュニティの規制当局者、BIS(国際決済銀行)、国内主要銀行、暗号資産(仮想通貨)取引所のハッシュキー、アント・デジタル・テクノロジー、マイクロソフト香港などが参加している。
プロジェクト・アンサンブルは今後数ヶ月のうちに研究と実験を開始する予定だ。
仏中銀の第一副総裁であるデニス・ボー氏は、HKMAのプロジェクト・アンサンブルに関する発表とタイミングが合ったと述べ、今回の協力に熱意を示した。
さらに、この協力の枠組みの中で、DL3Sプラットフォームのさらなるテストを実施したいとの意向を示した。
HKMAと仏中銀は、すでに他のプロジェクトに共同で参加している。
HKMAは最近、欧州中央銀行による分散型台帳技術テストに第2期参加者として参加した。この取り組みは、トークン化国債の決済におけるブロックチェーンモジュール間の相互運用性に焦点を当てている。
また、仏中銀は過去最大のCBCDプロジェクトである「mBridge」プロジェクトのオブザーバーであり、HKMAは同プロジェクトの初期参加者のひとつである。
e―HKDとして知られる香港のCBDCは21年から開発が進められており、現在は実証実験の第2段階にある。
HKMAは、「プロジェクト・オーラム」でBISと共に複雑な構造を持つリテール型e―HKDをテストするなど、さまざまなCBDCアプリケーションの研究に積極的に関与してきた。
さらに、トークン化された「グリーン」ボンドの開発においてBISや国連と協力したり、リップルやビザと提携して不動産のトークン化を模索したりしている。
●トークン化資産、30年までに2兆ドルに到達
コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーの分析によると、トークン化金融資産は30年までに約2兆ドルの市場規模に到達する見込みだという。
また、以前よりやや悲観的に傾いてはいるが、市場価値が約4兆ドルに達するという強気なシナリオも示唆している。
注目すべきは、米国でインフレと金利が上昇する環境下で利回りが高止まりしているため、トークン化国債が著しく拡大しているということだ。
RWA.xyzプラットフォームには、トークン化米国債および債券に12億9000万ドルがロックされており、これは24年初頭から80%増加している。
SecuritizeやOndoなどのプロトコルがこの成長に大きく貢献している。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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