アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性

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●アルトコインETFの成立可能性

ブラックロックのデジタル資産責任者を務めるロバート・ミッチニック氏は25日、ビットコインカンファレンス「ビットコイン2024」に出席。イーサリアム現物ETFの承認が、他のアルトコインに投資するファンドの実現を容易にするわけではないと述べた。

ミッチニック氏は、ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏と対話して、次のように話している。

"ビットコインは現在、暗号資産(仮想通貨)時価総額の約55%を占めている。イーサリアムは18%だ。
次にETFとして投資可能な資産になりそうなトークンをみると、3%ほどの割合だ。これは、ビットコインやイーサリアムと比べると、その閾値や、成熟度、流動性などには程遠い。"

●ヴァンエックのソラナ現物ETF

なお、現在アルトコインの中で次の現物ETF候補として注目されているのはソラナだ。

大手資産運用会社VanEck(ヴァンエック)は6月、米国で初となるソラナ現物ETF「VanEck Solana Trust」の登録届出書を米SEC(証券取引委員会)に提出している。

ただ、投資会社Dragonfly Capitalのパートナーであるハシーブ・クレシ氏は、SECはソラナを証券であるとみなしており、現政権の間はこれを撤回しないだろうと意見した。次のように続けている。

"ヴァンエックのソラナ現物ETFが実現するはずはない。今回の動きは、申請により関係者などから支持を集めて、物事を軌道に乗せるための土台作りをしているのではないかと思う。
今後、ホワイトハウスとSECに新しい政権が誕生した場合にのみ、このETFが2025年に立ち上げられる可能性がある。とはいえ、それでも保証はない。"

●ビットコインとイーサリアムの関係性

ミッチニック氏は、ビットコインとイーサリアムは競合する資産ではなく、補完しあう関係にあるとも見解を述べた。

ビットコインは、グローバルな通貨の代替で、潜在的なグローバル決済システムを目指しているものであり、一方でイーサリアムは、新しいアプリケーションを構築するための技術プラットフォームと考えるのが適切だと意見する格好だ。

また、ビットコインをある種のリスクに対する安全資産として見る人々が増えてきているとも話した。

ビットコインは単独ではリスク資産とみられ、そのリスクは、今後の採用状況や規制、まだ初期段階であるエコシステムの発展に関する不確実性に関するものだと指摘している。

その上で、ビットコインのリスクは、銀行危機や地政学的混乱、インフレ、政府の債務、通貨の切り下げなど、伝統的な金融の世界に存在するあらゆる種類の恐怖やリスク要因とはまったく異なるものだと続ける。こうしたリスクに対するヘッジになる可能性を示唆した形だ。

(イメージ写真提供:123RF)

https://coinpost.jp/?p=547495

CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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