ビットコインETFから1億6800万ドル流出、イーサリアムETFは若干の流入

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 5日、米国の9種の現物ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)から、投資家が約1億6800万ドルを引き出した。

 ファーサイド・インベスターズのデータによると、これらのETFからの過去2日間での純流出額は、4億500万ドルに達した。

 これに対し、現物イーサリアム(ETH)ETFでは、同じ期間に計4900万ドル近くの純流入となった。

●グレイスケールのGBTCとフィデリティのFBTCが流出額トップ

 最も顕著な流出はグレイスケールのGBTC(グレイスケール・ビットコイン・トラスト)とフィデリティのFBTC(フィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド)で見られ、それぞれ約6900万ドルの流出となった。

 興味深いことに、GBTCの低コスト版であるグレイスケールのBTC(グレイスケール・ビットコイン・ミニ・トラスト)では日間流入額が最大となり、2900万ドル近くが流入した。

 ビットワイズのBITB(ビットワイズ・ビットコインETF)とヴァルキリーのBRRR(コインシェアーズ・ヴァルキリー・ビットコイン・ファンド)も流入となり、それぞれ約600万ドルを引き入れた。

 ブラックロックのIBIT(iシェアーズ・ビットコイン・トラスト)といった他のビットコインETFは、流入出無しだった。

 取引面では、米国のビットコイン及びイーサリアムETFでは、5日に合わせて60億ドル近くが取引され、現物ビットコインETFだけで50億ドル超を占めた。

 IBITとFBTCが、この取引活動を主導した。

 グレイスケールのイーサリアムETFやブラックロックのETHA(iシェアーズ・イーサリアム・トラスト)などの現物イーサリアムETFは、総取引量のうち約7億1500万ドルを占めた。

 ブルームバーグでETFアナリストを務めるエリック・バルチュナス氏は、市場が低迷する中でのこの取引量の多さは、市場の恐怖を示す信頼できる指標だと述べた。

 同氏は、こうした時に流動性が高いことはトレーダーや機関にとって価値があり、ETFにとって長期的な利益になると強調した。

●ブラックロックのETHAに流入

 一方、ブラックロックのETHAは、5日に4700万ドルの純流入となった。ヴァンエックとフィデリティのイーサリアムETFが合わせて約3300万ドルの流入でこれに続いた。

 ビットワイズのイーサリアム・ファンドとグレイスケールのイーサリアム・ミニ・トラストも同日、流入を記録した。

 しかし、ETHE(グレイスケール・イーサリアム・トラスト)は大幅な流出となり、4700万ドル近くが引き出され、ETF転換以来最大の流出となった。

 同ファンドからは、10営業日で21億ドル超が流出した。

 グレイスケールの最新情報によると、それにもかかわらず、投資家は未だ約2億3400万枚、現時点で約47億ドル相当のETHEを保有している。

 4日に始まった最近の暗号資産市場暴落は、ジャンプ・トレーディングが取引所に大量のイーサリアムを移動したことがきっかけとなり、暗号資産市場全体で急激な調整が生じた。

 ビットコインは、5日の米国取引時間開始時に一時1BTC=5万ドルを割り込んだ。一方イーサリアムは1日間で20%超下落している。

 コインゲッコーのデータによると、最新の更新時点で、ビットコインは1BTC=約5万4000ドル前後まで回復し、イーサリアムは6%反騰して1ETH=2400ドル超で取引されている。

 既報の通り、デジタル資産投資商品は先週、4週間ぶりに減少して5億2800万ドルの流出となった。

 この流出は、米国の景気後退への懸念と地政学的不透明性の悪化、その結果による様々な資産の幅広い清算に対応したものだと考えられる。

 その一例として、米ドルに対する日本円の購買力低下の懸念から日本銀行が17年ぶりに利上げを決定したことで、リスクオン資産市場で不安が生じ、幅広い売りとなった。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/bitcoin-spot-etfs-post-168m-in-outflows-eth-etfs-see-inflows.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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