CBDC、普及に「鶏が先か卵が先か」の問題に直面とIMF(再掲)
IMF(国際通貨基金)によると、CBDC(中央銀行デジタル通貨)は「鶏が先か卵が先か」の問題に直面しており、消費者への普及は商店の参加に大きく依存し、逆もまた同様となっている。
「鶏が先か卵が先か」とは、相互に依存しあう2つの要因によって、そのどちらが先に来るかを決めがたい状況を表す際に使われる比喩だ。
今回の場合、商店は消費者が利用しなければCBDCを採用したがらず、消費者は商店が採用しなければCBDCを避ける可能性がある、とIMFは強調した。
CBDCは国の通貨のデジタル版であり、中央銀行が発行・規制する。分散型の暗号資産(仮想通貨)と異なり、CBDCは中央当局によって完全に裏付けられている。
CBDCは、デジタル的な形で現金と同じ機能を提供し、民間のデジタル通貨や決済システムの安全で規制を受けた代替手段を提供することを目指している。
世界中の中央銀行は、決済システムを近代化し、金融包摂を改善し、現金への依存を減らすためにCBDCを模索している。
●消費者の参加は鈍く、普及を不安視
小口決済市場では、協調の問題が珍しくない。他が採用しないことを恐れて関係者が採用をためらうことで、製品が苦戦する場合がある。
このダイナミクスはCBDCにも当てはまり、消費者と商店が普及を不安視すれば、両者の参加が遅れる可能性がある。これにより躊躇の自己強化サイクルが生み出される。普及を促進するために、中央銀行はこれに対処しなければならない。
中央銀行は、CBDCの主な推進役として、関係者の期待を調整し合意を形成する上で積極的な役割を果たす可能性がある、とIMFは述べた。
多くの中央銀行は、商業銀行や決済サービス事業者などの中間業者が利用者への普及と流通を促進する、2階層のCBDC流通モデルを検討している。既存の金融インフラを利用しつつ中央銀行の監視を保つことで、このモデルは役に立つとIMFは述べた。
関係者の参加は、CBDC普及において重要な役割を果たす。IMFは中央銀行に対し、商店、中間業者、消費者の懸念やニーズを把握するための反復的で包括的なアプローチを採用するよう助言した。これには、市場の課題に対処するだけでなく、CBDCの「プロダクト・マーケット・フィット」を達成することも含まれる。
IMFは6月、中東および中央アジアの19カ国を調査し、CBDCの普及とその可能性を探った。この調査では、CBDCは金融包摂を促進し国際送金の効率性を高める可能性があると結論づけられた。
調査対象となった19カ国の多くが、研究段階でCBDCを検討していた。「バーレーン、ジョージア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦は、より進んだ『概念実証』段階にあった。デジタル・テンゲの2件の試験プログラムを経たカザフスタンが、最も進んでいた」という。
(イメージ写真提供:123RF)
https://cryptonews.com/news/cbdcs-face-chicken-and-egg-problem-when-it-comes-to-adoption-imf/
This story originally appeared on cryptonews.com.
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