暗号資産と株式の「かい離」予想は外れたが、まだ希望あり

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 有名な暗号資産(仮想通貨)ファンドマネージャーの中には、一部の人々がそう信じたがっているほどの水晶玉を持っていない人物もいるようだ。

 暗号資産ヘッジファンドのパンテラ・キャピタルで共同CIO(最高投資責任者)を務めるジョーイ・クルーグ氏とダン・モアヘッド氏は2月に、暗号資産市場は今後数週間で伝統的な市場と「かい離」すると予想した。

 ジョーイ・クルーグ氏は当時、「今後数週間でかい離が生じ、暗号資産は再び独立して取引されるようになるというのが私たちの見通しだ。私の個人的見解では、イーサリアム(ETH)は1ETH=2200ドルが底である可能性が高い」と語っていた。

 ダン・モアヘッド氏も同時期に、利上げが目前に迫る中でもデジタル資産について強気の見通しを持っていた。

 「結局のところ、投資家には選択肢が与えられると思う。彼らは何かに投資しなければならず、金利が上昇するならばブロックチェーンは相対的に最も魅力的になる」とモアヘッド氏は述べた。

 5月中旬となった今、パンテラの幹部は今回は間違っていたようだ。

 5月17日時点で、最大の暗号資産であるビットコイン(BTC)は21年11月の史上最高値から50%超下落している。一方、ビットコインが10%下落し、多数の大手テクノロジー企業から成るナスダック総合指数が4%下落した9日に、ビットコインと株式市場の相関は最高水準に達した。

 暗号資産市場の現状について、デジタル資産ブローカーのジェネシス・グローバル・トレーディングで市場予測責任者を務めるノエル・アチソン氏はクリプトニュースに対し、マクロ志向の機関投資家が徐々に暗号資産市場の動き方を変えてきたとコメントした。

 これまでのビットコインと株式の相関は「プラスからマイナスへと振れ、また元に戻る」という周期的なものだったが、暗号資産市場の機関化が進んだ20年初めからこれが変化し始めた、とアチソン氏は述べた。

 同氏によると、現在相関は「明らかな高水準」にあり、先週の急変時には60日間相関は0.75を超えた。

 相関が1であれば2つの市場は互いに足並みをそろえて動き、0であれば全く相関していないことを意味する。

 「これは理にかなっている。特に短期投資家が価格設定を支配する傾向があるため、マクロ投資家がビットコインをリスク資産として扱えば、リスク資産のようにふるまうことになる」とアチソン氏は述べた。

 しかし同氏は、ビットコインと暗号資産全体が伝統的な資産と再び相関しないようになることを期待する人々にもまだ望みはあると付け加えた。短期投資家がリスク回避のために市場を離れれば、ビットコインを必ずしもリスク資産とみなしていない長期投資家が価格に対する支配力を再び強めるという。

 「そうなった場合、相関も修正されるだろう。市場参加者の構成が変化していることを考えると、21年初めの水準に戻る可能性は極めて低い。暗号資産がアウトパフォームし始めたと見なされればマクロ投資家はすぐに市場に戻ってくるため、低い水準に留まる可能性も低い」と同氏は述べた。

 いずれにせよ、かい離という考え方はまだ有効である。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/crypto-stocks-decoupling-prediction-flops-but-theres-still-hope.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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