暗号資産業界のカストディと所有権は解決が必要な「根本的な問題」-米当局者

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 米通貨監督庁のマイケル・J・スー長官代行によると、ステーブルコインのテラUSD(UST)の最近の崩壊は、暗号資産業界の規模、範囲、野心に対し、カストディと所有権が未発達であることを証明しているという。

 同氏は、5月24日に米ワシントンD.C.で開催されたDCブロックチェーン・サミットで自身の考えを述べた。

 スー氏は次のように語った。

 このステーブルコインが「崩壊する中、米国最大の中央集権型取引所は、破産を申請した場合にはユーザーは無担保債権者になる恐れがあると発表した。この発表により、中央集権型取引所やその他の中間業者が提供している『カストディ・サービス』の性質に関する疑問が再び持ち上がった」

 同氏は、自社が破産を申請した場合には一般ユーザーの暗号資産(仮想通貨)を破産財団の財産とする権利がある、というコインベースの発表に言及した。

同氏は次のように述べた。

 「『所有社会』の推進に注力している技術や業界にとって、デジタル資産の所有権、所有形態、カストディに関する明確さの欠如は、解決されるべき根本的な問題だと思われる」

 スー氏はさらに、取引所やアプリを通じて暗号資産やNFT(非代替性トークン)を購入した際に消費者は正確には何を所有するのか、権利の束はどのように分配されるのか、所有権の行使を誰に頼らなければならないのか、といった複数の疑問を示した。

 同氏は次のように指摘した。

 「デジタル資産の所有権とカストディに関する明確な基準を確立することは、消費者を保護しつつ持続可能で長期的な成長を可能にする」

 4月には、ジョージタウン大学ローセンター国際経済法研究所の前で、同氏はステーブルコインの構造と、ドルに固定されているトークン間の相互運用性確保の必要性を論じた。

 同氏は、米ドルベースのステーブルコイン間の相互運用性がなければ、「デジタル・エコシステムが断片化し、(壁に囲まれた)排他的なものになる恐れが高まる」と主張した。

 スー氏は次のように結論付けた。

 「長期的には、ステーブルコイン間、そしてCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)を含むドルとの相互運用性は、開放性と包括性の確保に役立つ。これは、ブロックチェーンに基づくデジタルの未来における取引と金融の基本通貨として、特定の企業が裏付けるステーブルコインではなく、ドルの幅広い利用を促進する助けにもなる」

 OCC(通貨監督庁)は米財務省の一機関だ。同庁は国法銀行、連邦貯蓄組合、そして海外銀行の米国支店・代理店を認可、規制、監督している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/crypto-industrys-custody-ownership-rights-are-underdeveloped-us-govt-official.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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