技術専門家と学者グループ、暗号資産ロビイストから離れるよう米国政府に促す

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 26名のIT専門家から成るグループが、暗号資産(仮想通貨)を糾弾し、ブロックチェーンと暗号資産は「分散化されていない」と批判し、米国の政治家に対し同分野とそのロビイストを取り締まるよう訴えた。

 このグループには、ハーバード大学のブルース・シュナイアー講師、マイクロソフトの元エンジニアのミゲル・デ・イカザ氏、グーグル・クラウドの首席エンジニアのケルシー・ハイタワー氏などが名を連ねている、とFT(フィナンシャル・タイムズ)は伝えた。一方、ソフトウェア開発者で暗号資産を批判しているスティーブン・ディール氏はツイッターでこの活動の正当性を示し、次のように記した。

 「暗号資産詐欺は制御できないほど急増している。いわゆるウェブ3はうまくいっていない。規制当局は麻痺しており、人々はあちこちで傷つけられている。私たちの不作為によって生じたこの問題を修正するのは、市民であり責任あるエンジニアである私たちの責任だ」

 このグループは、FTが「実質のない分野」と呼ぶものを規制するために「抵抗しようとしている暗号資産支持者」がワシントンで行っている活動に異議を唱えようとしているようだ。

 この文書は上院の多数派と少数派のリーダーであるチャールズ・シューマー氏とミッチ・マコーネル氏、そして共和党のパトリック・トゥーミー氏や民主党のロン・ワイデン氏といった「主要な上院議員」に宛てたものだ。最後の2名は、様々な事柄に対するスタンスから暗号資産支持派と考えられている。

 FTは、この文書にIT専門家が次のように記していると伝えた。

 「私たちは、リスクが高く欠陥があり実証されていないこれらのデジタル金融商品について、規制上の安全な逃避先を作り出そうとしているデジタル資産業界の金融業者、ロビイスト、支持者からの圧力に抵抗することを求める」

 彼らは次のように付け加えた。

 「暗号資産は、その性質とリスクを理解できないかもしれない個人投資家に積極的に宣伝されている、不健全で極めて不安定で投機的な投資スキームの手段となっている」

 FTはハーバード大学の講師が次のように意見したと伝えた。

 「ブロックチェーン支持者の主張は真実ではない。(暗号資産は)安全ではない。分散化されていない。パスワードを忘れれば老後の貯えを失うようなシステムは安全なシステムではない」

 一方、ディール氏は、このグループの取り組みは「対抗的ロビー活動」であるとし、「暗号資産業界には望むことを政治家に伝えてくれる仲間がいる」と主張した。

 同メディアは、18-21年に暗号資産ロビー活動が大きく増加したことを示す議会ロビー活動開示データを指摘した。暗号資産分野のロビー活動に費やされた金額は18年の220万ドルから21年の900万ドルへと「4倍」になっている。大手暗号資産取引所のコインベースだけでも、21年にロビー活動に150万ドルを費やし、メタ、ビザ、ペイパルなども暗号資産支持のロビー活動を行っていることがデータで示されている。

 この訴えに署名した人々は「さらに踏み込んで、暗号資産及びブロックチェーン技術には何の実用性もないと主張した」と伝えられている。

 デ・イカザ氏は次のように説明した。

 「(暗号資産の)計算力は、100ドルのコンピューターを使って中央集権的方法で行えるものと同等だ。銀行システムを信用しないことで、実質的に数百万ドル分の機器を無駄にしている」

 ディール氏はまた、カンピーナス州立大学の計算機科学教授であるホルヘ・ストルフィ氏による以下のツイートを共有した。

 「全ての計算機科学者は、暗号資産が全く機能しない決済システムであり、(『スマートコントラクト』を含む)『ブロックチェーン技術』は技術的な詐欺であることが分かるはずだ。声を出してそう言ってもらえないだろうか」

 米国の別の計算機科学者はこのツイートに返信し、「ブロックチェーンが最適解に近い計算問題は存在しない」と意見した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/group-of-tech-pros-academics-urges-washington-turn-its-back-crypto-lobbyists.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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