バイナンスＵＳ、ＵＳＴ・ＬＵＮＡの販売を巡り集団訴訟に直面

　損害を受けた多くの投資家が、世間を欺きテラＵＳＤ（ＵＳＴ）とテラ（ＬＵＮＡ）と購入させたとして、バイナンスＵＳに対して訴訟を起こした。

　大手暗号資産（仮想通貨）取引所バイナンスの米国法人は、テラとテラＵＳＤを販売したことで、集団訴訟を提起された。訴訟は、テラとテラＵＳＤが暴落した際に損害を被った複数の投資家によるもの。投資家らは、バイナンスＵＳが未登録のテラおよびテラＵＳＤを販売し、投資家を欺き購入させたと主張している。

　１４日に米カルフォルニア州北部地区の地裁へ提起されたこの訴訟では、他にもいくつかの主張がなされている。例えば、バイナンスＵＳは米国で登録された証券会社ではないため、米証券法に違反しているという訴えなどがある。また、バイナンスが意図的に悪質なプロジェクトを推進したということも明記されている。それによると、バイナンスはトークンをサポートしただけでなく、テラが暴落したにもかかわらず、テラ２．０を上場させたということだ。

　７２ページにわたる訴状には、他にも、バイナンスＵＳがテラＵＳＤは法定通貨に裏付けられていると虚偽の広告を行ったとする主張もある。原告（投資家）は、チャンポン・ジャオ氏が率いるバイナンスが、テラが暴落した後にこれらの広告を編集したと指摘している。

　原告によると、「バイナンスＵＳが証券法を遵守せず、テラＵＳＤに関する虚偽の広告を行ったことで、バイナンスＵＳの顧客に悲惨な結果をもたらした」ということだ。

　しかし、この一連の主張に対して、バイナンスＵＳは広報担当者を通じて次のような声明を発表している。

　「バイナンスＵＳはＦｉｎＣＥＮ（金融犯罪取締ネットワーク）に登録し、適用されるすべての規制に順守している。これらの主張には根拠がなく、バイナンスＵＳを全力で守っていく意向だ」

　同社の広報担当者は、バイナンスＵＳは訴訟で主張されているようなテラを上場したことはなく、テラＵＳＴは最近上場停止になったと説明している。

●バイナンスＵＳへの訴訟の後、米上場取引所に対する訴訟が続く可能性

　今回の訴訟の原告は、裁判に必要と判断されるすべての争点について、陪審による裁判を望んでいる。この訴訟の後、テラやテラＵＳＴを提供する米国の上場暗号資産取引所に対する訴訟が続く可能性がある。法律事務所ロシュ・フリードマンの創設者であるカイル・ロシュ氏は５月、ツイッターを介して、被害を受けたテラ投資家に向け、米国の主要取引所でテラを購入した人は誰でも歓迎すると呼び掛けた。

　ロシュ氏の法律事務所は、Ｄｏｎｔｚｉｎ　Ｎａｇｙ＆Ｆｌｅｉｓｓｉｇと共に今回の集団訴訟に協力している。訴訟が成功すれば、特に政府などの当局が、暗号資産取引所にどのように責任を問うか、その方向性が示される可能性がある。また、ＤｅＦｉ（分散型金融）組織およびセクターの法的地位について、明確な基準が設けられることにもつながるかもしれない。

　今回の訴訟の他にも、バイナンスは米国で多くの法的問題に直面している。同取引所は、バイナンスコイン（ＢＮＢ）のＩＣＯ（イニシャル・コイン・オファリング、暗号資産技術を使った資金調達）に関する、ＳＥＣ（米証券取引委員会）による調査への対応も迫られている。

（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）

https://www.coinspeaker.com/binance-us-class-action-lawsuit-ust-luna/

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