英国裁判所、民事訴訟原告にNFTでの法的文書の提出認める

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 NFT(非代替性トークン)が英国の法制度に進出した。数週間前にも米国で同様の動きがあった。

 法律事務所のジャンブロン&パートナーズによると、イングランドとウェールズ高等法院がイタリア人エンジニアでオンラインギャンブル会社マイクロゲームの創業者であるファブリツィオ・ダロイア氏に対し、正体不明の詐欺運営者に裁判所文書を送達する権利を与えた。市場トップのバイナンスなど、複数の暗号資産(仮想通貨)取引所にも文書が送られた。

 同法律事務所は、「『トレード』を行うために2つのウォレットに暗号資産を預け入れるよう投資家に促す詐欺的な偽のオンライン仲買会社」の運営者に、ダロイア氏の保有する暗号資産が「不正利用」されたと説明した。

 イングランドおよびウェールズでは、民事紛争の当事者は通常、郵便か手渡しでの手紙を使って法的文書を紙で送達するよう求められている。しかし同法律事務所は、「当事者が他の方法での送達を望む場合」は「正当な理由がある」ならば裁判所に対し「代替送達命令」を申請してもよい、と説明した。

 英国の裁判所はこれまで、文書送達にソーシャルメディア・プラットフォームのインスタグラムやフェイスブックを利用したことがあるが、「分散台帳技術を使った」送達は「前例がない」とジャンブロン&パートナーズは述べた。

 この命令により、ダロイア氏は、暗号資産を「最初に預け入れた」2つのウォレットに文書をNFT形式でエアドロップすることが許可される。

 弁護士らは次のように付け加えた。

 「この命令は、裁判所文書の送達における注目すべき進展であり、裁判所による歓迎すべき新技術の採用例だ」

 同事務所は、これは欧州でNFTがこうした形で利用された「最初の報告例」であり、暗号資産取引所LCXに関する裁判におけるニューヨーク州高位裁判所の6月2日の判決に次ぐものだと説明した。

 ジャンブロン&パートナーズは、この判決は「暗号資産に関する国際的な紛争における訴訟手続きにブロックチェーン技術を利用する突破口となる」と意見した。

 同事務所はまた、この裁判所命令は「バイナンスを含む暗号資産取引所」が「法定信託の受託者として盗まれた暗号資産を」保管する、「つまり取引所から移動や出金をされないようにする責任がある」と「認めて」いるため、これは「二次的な理由でも重要な判決」だと主張した。

 弁護士らは、「それぞれの取引所で盗まれた暗号資産を保護できなかった」ことで命令に違反すれば、取引所は「信託違反となり、所有者への損害賠償責任を負う恐れがある」と警告した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/uk-court-allows-civil-case-claimant-file-nft-legal-documents.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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