オークションハウス大手クリスティーズ、Web3投資ファンドをローンチ

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 アート作品・高級品を手掛ける世界有数のオークションハウス、クリスティーズが、Web3やアート関連の金融商品などの新興テクノロジーに焦点を当てた新たな投資ファンドをローンチすると発表した。「クリスティーズ・ベンチャーズ」と名付けられたこのファンドは、アート市場関連のソリューションを生み出す企業に対し、資金面でのバックアップと専門家によるサポートを提供する。

●クリスティーズ・ベンチャーズ

 プレスリリースによると、クリスティーズ・ベンチャーズと最初に連携する企業は、「レイヤーゼロ・ラボ」。同社は、トラストレスで効率的な方法で多様のブロックチェーンにまたがったdApp(分散型アプリ)を構築することができる「オムニチェーン相互運用プロトコル」で知られるスタートアップだ。クリスティーズ・ベンチャーズは、すでにレイヤーゼロ・ラボへの投資を完了している。

 このファンドは、マイクロソフト、Artsy、Better.comのチーム・テクノロジービルダーで、クリスティーズのアドバイザーでもあるデバン・タカル氏が率いる。

 タカル氏は、次のように述べた。

 「私たちは、真のビジネス課題を解決し、顧客体験を向上させ、アート市場全体とその相互作用の両方で成長機会を拡大することができる商品とサービスに焦点を当てていく。私たちのリーダーシップは、これまで素晴らしい有利な立場を提供してきたが、クリスティーズ・ベンチャーズのローンチにより、優れた商品や企業を構築してきた素晴らしい実績を持つ起業家とともに、さらに速く開発を行うことが可能になる」

 クリスティーズのCOO(最高執行責任者)であるベン・ゴア氏によると、このファンドのローンチは、Web3開拓の機会を増やすとともに、競合他社に対する新たな優位性を提供することになるという。

 クリスティーズは先週、22年第上半期の総売上高が41億ドルであったと報じられていた。15年以降で最高の売上高であるということだ。

●クリスティーズ、暗号資産領域に進出

 クリスティーズは20年に暗号資産(仮想通貨)業界に進出している。同社は当時、最初のNFTとして、ロバート・アリス氏のビットコイン(BTC)を題材としたアート作品を販売。「ポートレーツ・オブ・マインド(心の肖像)」と呼ばれるこのコレクションは、ビットコイン創設時のコードを40の作品に分散化したグローバルアートプロジェクトとして販売された。

 21年12月、クリスティーズはNFTマーケットプレイスのオープンシーと提携を結び、初となるオンチェーンNFTオークションを実施。

 さらに、21年3月には、デジタルアーティストBeepleが創作したアート作品を約6900万ドルでオークションに出品。報じられている通り、これはオークションで販売されたNFTとしては最も高価な作品となった

 22年7月には、クリスティーズはペンシルベニア大学初となるNFTオークションも予定している。「新時代のワクチン」と名付けられたこのNFTは、生物力学の科学的イメージングを宝石調のアートとして表現した1分間の3Dアニメーションである。

 NFT関連のニュースが増える中、クリスティーズは「アートのシームレスな消費を可能にする」ために、Web3への関与を深めたいと考えているようだ。

(イメージ写真提供:123RF)

https://www.coinspeaker.com/christies-web3-investment-fund/

This story originally appeared on Coinspeaker.

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